めっちゃ今更な内容なんですが、9日土曜日、白血病で闘病している池江璃花子さんのドキュメンタリー番組がNHKでやっていました。
このドキュメンタリーが、放送されることは知らなかったんですが、その時はたまたまつけていて、最初から観ることができました。
番組を観ていて、彼女が話していたことはすごく共感できる部分がたくさんあって、僕は初発の年齢が21歳、彼女は18歳かな?ですが、若年の白血病患者が抱える悩み、苦しみは性別とか状況が多少違えど、共通する部分があるのかなと思います。
インタビューの内容は共感できるものばかりだったのですが、特に印象に残ったところを書いていきたいと思います。
インタビューの中で誰からも理解されない苦しさについて話している場面があって、家族であってもそれはわからないと言っていました。
家族でも誰でも自分の近くにいる人からも、病気の苦しさを本当に理解してくれているとは感じる事はできません。自分だけ病気になった事に拗ねてるわけじゃなくて、感覚的にわかるんです。
当たり前のことですが、その人の苦しみはその人にしかわかりません。
もちろん僕は自分の大切な人が癌になった人の苦しさはわかりません。
ただ若年癌患者の特に辛いところは、周りに自分と同じような人がいない。という事です。
よくお爺ちゃんお婆ちゃん達が、自分の体が悪いトークしてるじゃないですか、「最近〜痛い」とか「わしは〜の数値が」とか。あれって精神衛生上めちゃくちゃ大切だと思うんです。
お年寄りであっても病気は絶対つらいです。それは間違いない。ただ歳とってくると比較的みんな平等に体が悪くなってきて、まわりに自分の辛さをある程度共感できる人がいて、ある程度自分が抱えている辛さを発散しやすい。同じように苦しんでる人が自分だけじゃないじゃない、また自分の辛さを誰かに話す事で気持ちが楽になると思うんですよね。
一方、若年癌患者は周りの友達は基本みんな健康なんで、孤独感をすごく感じやすいんです。友達が仕事の愚痴とか話してる時に、「俺は最近移植の影響で〜が痛てぇわぁ」とか言えないじゃないですか。笑
あとは、「私から水泳を取ったら何にもないんだと気づいた」みたいな事を言ってて、すごく悲しくなりましたね。まだ移植からそんなに日が経ってないのにこんな取材を受けて、僕たちのような闘病している人だけじゃなく、コロナで家から出られない日本中の人達をこんなに励ましているのに。オリンピックで金メダルを取る事よりもよっぽど大きな事です。
でもそう思ってしまう気持ちもすごくわかります。白血病の治療にはすごくお金がかかるし、体が弱って、看護師さんの手伝いや、家族の助けをいつも借りて、「すみません、すみません」って言っていると、自分が何も価値のない人間に思えてくるんです。
久しぶりにプールに入る時の映像も流れて、その時の笑顔が忘れられないですね。本当心の底から湧き上がった純度100%の笑顔って感じで。
僕たち癌患者って、病気や、抗がん剤などの治療によって、今まで普通にやっていた日常のあらゆる事を奪われてしまいます。普通にご飯を食べたり、外に散歩へ出かけたり。でも治療が終わって体が元気になってくると、またいろんなことができるようになってくる。その時に、本当に心の底から幸せを感じるんです。これは癌とか大病を患った人間の唯一の特権だと思います。
何ヶ月もぶりに病院から外に出た時、ケモの副作用が抜けて久しぶりにご飯を食べるとき、あらゆる時に感じます。
でも哀しいかな人間って慣れてしまうですよね。。だんだんとご飯を食べれることも外に出れることも当たり前になって、何にも感じなくなってしまうし、挙げ句の果てに新しい不自由を探してストレスを感じてしまう。僕自身、病気が良くなったり悪くなったりする中でそういう事を繰り返してきました。
最初に池江さんが白血病になったというニュースを聞いた時、僕は3回目の移植の前でした。当時、そのニュースで患者さんも先生もすごくざわついてたのを覚えています。彼女が移植を受けたと知った時は少しショックでした。リンパ性であれ、骨髄性であれ、若い人は化学療法だけで治る人も多くて、化学療法だけでは再発するリスクが高いと判断された人だけが、初発時に移植を受けます(再発したら移植するしか助かる道はありません)造血幹細胞移植は自分の血液捨てて、新しい他人の血で生きる治療ですから、後には引けない治療というか、どんなにうまくいっても、もう元の体には2度と戻れない治療なわけです。
病気は治ったけど、移植の影響を長年受けている人もたくさんいます。アスリートとして移植がどれだけ影響が出るのか、本人もすごく不安だと思います。
最初に池江璃花子さんが白血病になったニュースを聞いた時も思いましたが、治療はうまくいって、必ずまたなんらかの形で復活して、いろんな境遇の人たちに勇気を与えてくれると思っています。
〜おわり〜