結が家族になって、明るく、そして忙しくなった我が家。
何せパピー(子犬)なもんだから、好奇心は旺盛だし、おしっこ、ウンチもよくする。
これは元気な証だから嬉しい悲鳴だね。
結の世話以外にも、田舎暮らしはけっこう忙しい。
今日は沖縄本島の最南端の田舎暮らしをちょっとだけ書こう。
ここは人口が300人に満たない字(集落)。
資料によると最盛期には千人祭なる祭りが行われたようで、文字通り人口1,000人に迫った時期があったという。
今は当時の1/3に満たない、そしてほとんど子供の姿を見かけない過疎にまっしぐらな集落なのである。
もちろんコンビニはおろか、商店すらない。
世間ではこれを不便というが、我々夫婦はこれを求めてここに移住したのだから、この静けさが気に入っている。
ここ沖縄南部は、戦争で壊滅的なダメージを受け、相当な数の住民も犠牲になった。
そういう歴史があるため、この一帯は戦跡指定を受け、開発ができないため、昔からの自然の姿がそのまま残っているのだ。
なので不便はあたりまえで、むしろこの環境を享受し、楽しんでいる。
以前、「海沿いに棲む」という記事に書いたが、スーパーやコンビニよりも、きれいなビーチが近い方が僕には便利なのだ。
この環境を残してくれた先人に感謝。
移住後丸3年の月日が経過し、仕事の整理もついてきて、最近は「田舎暮らし」が仕事のようになってきた。ブルーライトの影響で細かい画面のPCを凝視することができなくなったので、設計士としては引退。子会社の役員を継続していたり、取引先へアドバイスするためのウェブ会議があったりするが、その数も大きく減らし、ようやくF.I.R.E.できそうだ。
F.I.R.E.して沖縄へ移住できれば良かったのだが、なかなか許してもらえず、3年という時間がかかってしまったが、ここにきてようやく目標が達成できたかな。
目標達成の次は「夢」だ。
夢は「何でも自分でやる」こと。
独立してから時間はすべて開発や設計、そして経営に使ってきた。
これからの時間の使い方は自由だ。
例えば。
結の首輪やリード。ペットショップで買えば数千円で買えるものだけど、「自分でつくる」。
つくるって言っても、ヨットで使い古したロープを材料にして端部を編み込んだだけだけど。
ロープを編むためには、スパイキーという道具がいる。
この木製スパイキーは若いころ、お世話になった船大工さんからの贈り物。
いただいた経緯ややりとりの時間を思い出しながら、単調な作業をする時間が楽しい。
船といえば僕にとってはヨットだ。
沖縄でヨットを楽しむために整備してきたヨットを泣く泣く清水港に残し、あらたに1988年製の古いヨットを沖縄で手に入れ、コツコツとレストアをしている。
レストアの様子は、このブログでもたくさん記事にしてきたが、今日は沖縄田舎暮らしの話。
沖縄の、特に海上に降り注ぐ紫外線はすさまじく、丁寧に塗ったはずのニスが1年持たないのだ。
ようやくある程度整備が進み、セーリングができるようになったのに、木部の塗装がハゲハゲになっていては気分も下がる。ということで、こんなことも外注せずに自分でやる。
これも趣味と実益を兼ねたようなもので、仕事で使っているいくつかの塗料を塗り、その性能を確認している。これを後輩たちに伝えれば、沖縄の海上での暴露試験結果として箔がつく(笑)。
箔がつくと言えば「陽菜」。
陽菜は、そこにいるだけで雰囲気がゴージャスになるのだ。
古いヨットにも箔がつくかな?
ひとり作業は暇なので、最近はマリーナに陽菜をつれていく。
最初はヨットのデッキの上をビクビクしながら歩き回っていたのが、最近はずいぶんと慣れてきて、デッキからキャビンに降りる急階段を難なく昇り降りできるようになった。
陽菜のお気に入りはキャビン内の右舷側のソファ。
近所の移住者の友人がつくってくれたソファカバー。陽菜、ちゃんと足を拭いて上がったか??
そして家でも「塗装屋」をしなければならない。
まだ築3年の家だが、今年の台風6号の暴風雨により塗装が見事に剝がされたのだ。
まぁ、使っている塗料も水性のオイルステインなので分厚い塗膜があるわけではないので、仕方がないんだけど、なるべく環境や体に良い(悪くない)素材を使いたかったのだから仕方がないよね。
それにしても台風6号は凄まじかった。沖縄を往復ビンタするような経路を取り、都合、1週間の長居をした台風で、ここは遮るもののない海沿いなので、風速はゆうに50m/sを越えた。
その間、ずっと強風と雨だったので、建物の壁面はずーっと高圧洗浄をされていたようなものだ。これに加え、周辺は海と畑だらけなので、きっと砂や土も巻き上げられ、サンドブラストも加わり、こんな状態になってしまったのだと思う。
11月に台風対策(飛散物防止)ネットを外すと、ネットとの摩擦ではぎとられた部分も露わになり、塗装をしなければと思っていた。
そして再び、環境と体に悪くない塗料を選び、塗装屋さんになる。
木造平屋建てだが、基礎高1.5m+天井高3.3m=4.8mなので、地上高約5mの高所作業になるので、念のためにフルハーネスを着用して作業をする。
ハーネスはヨットと共用。
こういう暮らしをしていると、道具や装備類はある程度、万能な機能のものを求める。
また、30代の頃から「コイツと一生つきあえるか」を基準にしてモノを選ぶようにしているので、僕の持ち物は、少ないが機能的なモノが多い。
田舎暮らしでは、道具に頼ることが多いので、道具たちに感謝しながらメンテナンスする時間も楽しいものだ。
沖縄本島最南端の海辺の町。
畑に囲まれた木造平屋建てで、自然の力を利用して暮らす。
オフグリッドという新しい暮らし方の実現に向け、要素技術を開発していく実験住宅。
ここで、古くてもよくできたバイク(1998年製)やヨット(1988年製)をメンテし、夜な夜な古くて愛おしいギター(1982年製)を弾きながら、気に入った頂きもののグラスで呑む泡盛は最高だ。
ドジャースに移籍した大谷翔平じゃないけど、限りある時間を最大限に活用して生きたいね。
そうなると、二刀流どころか何刀流もこなさなければならない。
沖縄田舎暮らしは忙しくも楽しい日々だ。
それはやりたかった夢だし、ようやく夢が動き出したと感じる今日この頃。
あ。今日は終日雨予報。
というわけで、ブログは雨の日にしか書けないかもね。