朝一番の列車に乗る為に、AM5:30宿を出た。 鍵も精算もないから、『勝手に出てって良いよ~』とチェックインの際に言われていたので、誰も居ない受付をスルーして駅に向かった。
駅舎は綺麗で、冬は泊まる人も結構居るのだろうか?充電出来るコンセントは一つも無かった。

=神城駅舎の内部=
気温は19℃と涼しい。
南小谷行きの列車は定刻通り到着し、定刻通り6:44に発車した。 乗車客は少なく、のんびりしている。
遠くに見える山並みにはまだ雪が残り、この辺りの雪深さを垣間見る事が出来る。

南小谷駅はやはりなにもなかった。

=南小谷(みなみおたり)駅=
でも、駅の前を流れる姫川の支流は、水量が多く、如何にも雪解け水を連想させるエメラルドグリーンの水がゴウゴウと音をたてて流れている。

=南小谷駅前の川=
改札を出て糸魚川までの切符(670円)を買う。
この先はJR西日本になり、JR東日本の発行する三連休パスのエリアから外れてしまう。
同じ様に数人の人が、一旦、改札を出て切符を購入していたから三連休パスで旅する人も結構居るのだろう。
南小谷からの列車のドアは、完全に手動だった。



ボタンを押してドアを開閉するのは見たことがあるが、ドアを、直接、手で押して開けるのは初めてだった。 とても古い車両で、JR西日本は余り儲かってないのかと思った。

=南小谷ー糸魚川間を走る列車、がんばろう!糸魚川のステッカーが気になった。=
列車は、姫川の急流と平行に、時には跨ぐ様に走り、時々、難所では凄くゆっくりになる。 線路の整備にお金が掛けられないから速度を落とさざる負えないかと考え、少し不安になる。
平行する姫川には、一体、どうしたらあんな大きい岩が流れてこれるのだろうと思う大岩がゴロゴロしていた。
この姫川は、翡翠の産地との事だ。 翡翠は日本で取れる唯一の宝石で、長年、スポットライトを浴びることは無かったが、最近、注目されてきているらしい。
糸魚川に着くと数分で直江津行きが出ると言う。
しかし、これに乗ると慌ただしくなってしまうので、次の列車にする。
糸魚川駅から雨の中、北に向かい、日本海を見に行く。
しかし、海沿いを走る国道8号に横断歩道は無い。 辺りを見渡すと、地下道への入り口があり、海側へ渡れる様だ。 地下道を通り階段を登ると塀の上に出て海が見渡せる展望台になっていた。
砂浜は無く、巨大なテトラが海岸線を埋め尽くしていた。
波による侵食が激しいのだろう。
海岸をこの様にしなければならなかったこの地の厳しい自然を感じる。
日本海の荒々しい波を見飽きて、ふと、後を振り返ると去年の12月22日に発生した大火事の跡が有った。 駅の方から二、三軒の幅で100m位が空き地になっていた。 被害のなかった家は殆ど無傷で、非常に強い風が吹かないとこんな風にはならないと感じた。
今更だが、列車のステッカーの『がんばろう!糸魚川』の意味が分かった。
関東平野に育った私には日本海側の自然はとても厳しいと感じる。 それには、約20年程前の出来事も影響している。
ゴールデンウィーク、私は大型バイクで日本海側を西に向かって旅をしていた。
雨が降っていて、南からの風が強かったが、走れないとは感じていなかった。
多分、福井県の美浜町付近だったと思う。
何台かのバイクが路肩に停まっていた。 国道27号の片側一車線の道路で、左右は田圃、風が山側から吹き下ろしてきており、路面が水飛沫を上げている。 そんな区間が約100m程続いていて、みんな通るのを躊躇していた。
私も、一度停まったが、大型バイクに乗っていた傲りも有ったのだと思う。 大丈夫だろうと走り出した。 しかし、強い南風は、まるで柔道の足払いの様にバイクの下側に吹き込み、あっという間に反対車線まで押し出されてしまった。 幸運にも反対車線に車は走ってなく、前方を見ると、私の苦境を察してか?こちらに向かってくるトラックが停まってくれている。
コーナーを曲がる時にプロのライダー達がするハングオンと言う乗り方で必死に元の車線に戻ろうとしたが、風は強く、更に押し流された。 本当に後50cm位で田圃に落ちる所だったが、何とか立て直し元の車線に戻る事が出来た。
心臓はバクバクで、足はガクガク。 それ以上走る事が出来なくなってしまった。
その為、まだ、午前中と言うのに近くの宿に片っ端から、『今日これから泊まれますか?』と聞い回り、親切な釣宿に宿泊をさせて貰った。
そんな経験も有って、日本海側の自然は常日頃から厳しいと思っているのだが、大火事の跡を見て、また、再認識をさせられた。
駅に戻り、10:00発の直江津行きに乗る。 ここから直江津までも三連休パスの区間ではないので乗車券を購入する。(670円)

列車は新しく、片側はシングルシートが全て前を向いていた。
車内は冷房が効きすぎるくらい効いている。 窓の外側が結露で曇ってしまうくらいだ。 こちらの人は暑がりなのだろうか?
直江津には10:41に到着。 直ぐに新潟行きの特急が発車すると言う。 これもパス。 急いでは旅の意味がない。
次の新潟行きは、13:22発。 3時間弱、直江津に居ることになったが、2.1km離れた銭湯(門前の湯、420円)へ行く。

距離が遠かったので、30分だけの滞在だったが、リラックスする事が出来た。 日本の旅は何と言っても、銭湯があるから良い。
駅には列車出発10分前の13:12に到着。 指定席特急券を購入し、ビール500mlとあたりめを買って乗り込む。 指定席はがらがらだった。

頑張って歩いたのと、酒も手伝って気持ちよい眠りに落ちた。
新潟へは15:06に到着した。 列車の中で酒田のビジネスホテルを予約していた。 新潟では泊まらず、酒田まで行くことにした。
酒田行きの列車は、17:17発の特急いなほが有るが、これは二時間待ちとなる。
とりあえず、普通で村上まで行って、村上でいなほに乗ろうと決めた。 新潟発15:43の普通村上行きに乗る。

ちゃんと座れたが、結構混んでいる。 朝早くから行動した疲れで、村上まで殆ど眠っていた。
村上には17:04着。 酒田行きの特急『いなほ』は18:06発。 少し駅の周りを歩く。 丁度、相撲中継を遣っていて、複数の家から歓声が聞こえた。 家に居れば、一家団欒の時間だろう。 若干、一人旅が寂しくなる時間だ。

酒田行きの『いなほ』に乗る前にまたビールとスナックを買ってしまった。

多分、自分の頭では、特急列車は飲み屋位に思っているのだと思う。 何故か有ったサッポロクラシックは昔のビールの味で最後はなんでこんな苦い物、飲んでいるのかと後悔した。
席は、また、山側の席で名勝の笹川流れは良く見えない。 いつも考え無しに行動しているなーと思っていたら、そうでもない。 実は、直江津⇒新潟ではA席で山側だった。 だから、今回はD側を選択したのにまた山側。 路線で席順が違うとは思わなかった。
酒井には、19:31に到着。

すっかり暗くなっていた。 ホテルは駅前のホテルイン酒田駅前。 素泊まり税込みで5250円。 回転ドアは壊れているのか、手で押しながら入る。 回転ドアが有るなんて、昔はレベルの高いホテルだったか?
フロントの対応は親切で、コンビニの場所を丁寧に教えてくれた。 部屋は8Fの角部屋で空気清浄機完備、Wi-Fiも繋がる良いホテルだった。
7月17日(月)
4:30に起きてこの日の予定を考える。
三連休の最終日。 帰りは新幹線と決めているが、日中から夕方は混みそうだ。 直ぐに帰り始めるか?夜遅くに帰るか? 結局、直ぐに帰る事にした。
『えきねっと』で検索すると、新庄を7:16発のつばさ128号に空席があった。
酒田6:00発の普通新庄行きに乗れば乗り換え時間11分だが間に合う。 新庄経由で帰ることに決めた。
酒田から新庄に向かう列車内で『えきねっと』を使い、新庄ー東京間の特急券を予約した。 新庄で一度改札を出て、自動切符販売機にクレジットカードを差し込み特急券を受け取った。 便利なもので誰にも会わずに次々に切符が買える。
山形新幹線:つばさのホームは、改札の直ぐ前に有り、一見、他の在来線のホームと同じ様に見えた。 新幹線と言えば専用路線の専用ホームとの認識なので少し驚いた。

福島からは新幹線専用の路線になりあっという間に東京に着いた。(10:48着)
最終日は早めに切り上げることになったが、金曜日の夕方から行動しているので、意外と充実した旅であった。
(完)

