近くの神社でお祭りがあった。

おいらは神輿を担いだこともないし、
宗教的な信仰は何も持ち合わせていない。

それでも祭りが好きなのはなぜだろう・・・。


親に連れられて行っていた幼い頃、
綿菓子ができるまでを眺めるのが楽しかった。

ひよこやミドリガメも輝いて見えた。


友人と行った中学時代、
パチンコや射撃、あんずあめ、オレンジせんべい・・。

なぜなのか今では分からないけど、とても楽しかった。

ところが片思いの同級生にバッタリ遭遇、「おごってぇ~!」

好きな子の前で格好つけるチャンスなのに、
おいらのポケットにはもう小銭も残っていなかった。

どうしよう!

一緒にいたはずの友人たちの姿はすでにない。

固まったままのおいらに、やがて彼女の友人が、

「やめなよ、本当に困っているよ」

気まずい空気のまま人ごみの中へ逃げるように
紛れて去ってしまった、苦い思い出。


今でも昔の祭りのことを覚えている。

子供の頃と変わらぬ出店たちに
自然と笑みがこぼれてしまう。

今年もまたお祭りだと知ると
足が自然と向かっていた。