好きなものが少数派であるという意識を抱いていると、
同じものを好きだという人にめぐり合うとそれだけで気が合うように感じられる。


高校時代のクラスメートに変わった男がいた。

時代遅れの風来坊的なスタイルに、
泰然自若とした雰囲気を醸し出していた。


4月のある授業でのこと。
初めての授業だったので先生が自己紹介をさせた。

一人ずついくつかあるお題から選んで、
自己紹介をするという形式。

彼は、最後にバスケット条項のような
「最近感じること」をえらんだ。

そして、名乗ったあとに、「最近、春を感じています。」

季節のない東京のしかも10代の少年、いやっ、おっさん風の男が、
春を感じるなんて・・・。

まだ、クラス替えから間もない、空気のはりつめた教室内だったけど、
おいらは笑ったなあ。


どこか魅せられるところはあったんだけど、
高校時代はあまり会話を交わすこともなく終わった。