大学時代にクラスで嫌われている男がいたんだよね。

滅多に講義に出なかったおいらはそんな噂なんてつゆ知らず、たまたま彼と隣の席で講義を受けていた。

なんか言うことなすことが気障で嫌なやつだなあってそのとき思ったんだよ。

そしたら、のちにクラスの連中に会ったとき、みんな口々に彼の悪口を言い始めたのさ。

なんだ、みんなもそう思っていたのか、ってホッとしたんだよ。

しかも、噂をすればなんとやらで、途中で本人がバッタリやってきたよ。

みんな無視するような態度だったんだけど、
彼はそれを察知してかおいらに話しかけてきてすぐに立ち去ったよ。


ふしぎなもんだねえ、みんなに嫌われていると分かるや彼のことが嫌いでなくなったんだよ。

その後もフラッと現れては、「芸能人並みに忙しい」が口癖の彼は

「いやぁ~参ったよ。隠れ家的な存在だったフレンチの店が雑誌に載っちゃってさぁ。
田舎モノがいっぱいやってきて、混んじゃって入れなかったよ。」

と、愚痴るとさっさと去っていった。

そういう彼はれっきとした田舎者なんだけど・・・ね。