怒られた | 毒ガスぷしゅぅぅぅ

毒ガスぷしゅぅぅぅ

ガンダムオンラインのブログです

こん○○わ おまんぢゅうです。

ガンダムオンラインとはあんまり関係のないお話で、多分かなり長文になると思うのですが・・・。

わたしがガンダムオンラインを始めた理由は、今まであんまり仲が良くなかった社長と先輩がガンダムオンラインをやるようになってから仲が良くなって、いいなぁと思ったからでした。

仲が良くないっていうか、一方的に先輩が社長を遠ざけていただけなんですね。先輩が仕事中にウルティマオンラインっていうのをやっていて、それを見つけた社長がブチ切れて、
「おまえ!仕事中にそんなことするな!」
うん、そうだそうだ。ちゃんと叱ってくださいよ。
「ウルティマオンラインなんか仕事中にやってるから、おまえの仕事は中途半端なんだ!」
よく見てくれてるじゃないですか社長!さすがです!ボーっとしていると思っていたら、ちゃんと判ってくれてるんですね。
「この前のイベントの仕事だって、ちゃんとやればもっとクライアントを儲けさせてあげられただろ!自分たちの儲けじゃないんだ!クライアントと、その先がどれだけ満足させられるかだろ!」
ステキすぎる!!
「仕事中にウルティマなんかやんな!ガンダムオンラインにしろ!」
え???

なんか良く判んないけど、ウルティマオンラインっていうのは仕事中でも隠れて色々できるらしいんですね。物を作ったり材料を掘ったりとかを自動でできるとか。けどガンダムオンラインはやってみて判りましたけど、基本的に戦闘だから仕事中にはとてもじゃないけどできない、だからガンダムオンラインをやれ!という理屈でした。
メチャクチャな話ですが、先輩は家に帰ってゲームをしたいから早く仕事を終わらせるようになったし、社長にも話しかけるようになったし、結果としてとても良い対処でした。

そんな光景を見て『すごいなぁ、いいなぁ』と思うと同時に、『どうやらガンダムオンラインは闘うゲームらしい。じゃあわたしも身分を隠してやって、二人を叩きのめそう!』と思ってやり始めたのでした。


そんなわけで社長はガンダム好きなんです。多分世代的にもガンダム世代っていうんですか?ガンダム芸人とかあるじゃないですか。彼らと同じ年齢のはずです。
どのくらい好きかといいますと・・・。

物凄く手が早いんです。勿論仕事の手です。例えばわたしが3時間かかるような仕事を、社長は30分くらいで済ませちゃうんですね。
社長への指名案件もありますから、一つ一つの仕事が早く処理できるということは、わたし達よりも多くの仕事をこなしているってことなんですが、結構空いてる時間もあるみたいなんです。
そんな空いている時間、社長はガンダムのプラモデルを作ってるみたいです。
人にゲームするな!ってブチ切れっておいて本人はプラモデルを作っているという・・・。いや、両方ダメですよ!って話なんですが。

でもちょっとかわいいって思うのが、プラモデルを作っている時とか仕事の手が空いているような時は、必ず部屋の扉にホテルにあるような「開けないでね」っていうプレートを掛けてるんですよ。
一応表向きの理由としては「寝てる」という事なんです。一般的な会社だと仕事中に寝てるってどういうことだ!だと思います。いや一般的な会社じゃなくても、わたし達と同業のデザイン事務所でも寝てるなんてあり得ないと思うんですが、ウチは結構OKなんですね。といってもそれなりの理由がないとダメです。前日徹夜だったとか、連日夜遅くまでの仕事が続いているとか、お昼御飯食べ過ぎたとか・・・。初めて聞いた時はエェッって思いました。お昼御飯イッパイ食べたら、逆に5分や15分程度の睡眠をとった方が仕事がはかどるんだそうです。

まぁともかく、社長は連日遅くまで仕事しているし(本当に仕事かわかりませんが)それに誰よりも多くの仕事を処理している人なんで、昼寝っていうのも当たり前なんですね・・・表向きは。実はその間、ガンダムのプラモデル作っていたり、作ったプラモデルで遊んでいる事はちゃんとわたしは知ってます!
だって「やすりがねぇ!」とか「デミトリーいってきます!」とか聞こえてくるんですよ。びゅーん!がっしゃーん!とか。


そしてここからが本題。長かった・・・。

社長のお気に入りはザクレロっていうロボットです。顔から手が出てるっていうか、顔だけのロボット。それが30個以上あるんです。
大きさはおっきいのとちいちゃいのの2種類で、おっきいのだけで30個以上あります。
ある意味変態ですよ。

先週、社長が出張でしばらくいなかったです。わたしも仕事がひと段落したから、一応社長に断って社長の部屋を掃除してたんですね。掃除っていってもそんなに広くないから、資料の整理とかが主でしたけど。
フと見ると大量のザクレロ・・・。

一個もらっちゃいました♪
ザクレロって黄色なんですよ、色が。だからそれをピンクに塗っちゃいました♪
もらったというか、あとで返すつもりなんですけど。

そしてそんな事も忘れていた頃、突然社長が帰ってきました。
自分の部屋に入るやいなや「ない!ないないない!!8号がない!!!」大騒ぎ。
あぁ、ザクレロだな・・・。
そりゃ判りますよ。身に覚えもありますし・・・。っていうか8号って・・・同じロボットで良く判るな・・・。
部屋から出てきた社長、なぜかキッチンスペースに。身に覚えのあるわたしは当然、あとを追いかける。キッチンスペースにはコーヒーを入れたりできるように食器棚があるんですが、その奥の方に手を伸ばしてガサゴソと。小さなザクレロが出てきました。
「ないなぁ・・・」
「あの、社長」
「あとにして!」
小さなザクレロを数個抱えた社長は男子トイレに。
さすがに一緒に入るわけにはいかず、前でまってると両手には更に、小さなザクレロが。
「・・・トイレに・・・」
「ちがうよ!男子トイレだけだよ!!」
いや、そういう話じゃないんですが・・・。
またどこかに行こうとするから、あわてて服をひっぱって
「ありますよ!あります!」
てかどんだけ色んなところに隠してんだか、この人は。

わたしの机に戻って、ピンクに塗ったザクレロを渡しました。
そしたら・・・
「ばかやろう!!!!」
大声で怒鳴られました。
「お前は何を考えてんだ!お前は・・・お前はぁぁぁぁ!!!!!」
正直殴られるかと思いました。
もう社長は怒り過ぎて言葉も出ないような状態。
「ごめんなさい!そんなに大切なものだとは思ってなくて、喜んで貰えるかと思って」
「よろろろろこぶかぁぁ!こんなにかわいい色にお前は!お前なああああ!!!」
いきさつを知らない社員には、わたしが仕事で大きな失敗をしたと思ったでしょう。普段結構言い合う仲ではありますが、一方的にわたしが怒る事がほとんどで、社長が感情を露わにするなんて、多分初めてのことでしょうから。

でも違うんです・・・仕事じゃないんです・・・ザクレロなんです・・・。
もうなんかわたしも、ワァァァって気持ちになっちゃって、悔しいけど泣いちゃったんです。女が泣くって、本当は一番簡単な逃げだと思うし、絶対に嫌だったけど、でもあんなに人から怒られた事もないし、でもピンクに塗っちゃったし、ハッキリ言って嫌いじゃない人だから、その人にこんなに怒られて、もうわたし自身どうしていいかわからなくなって。

「泣けば許されると思っているのか!」なんてような事を言う人じゃないんです。そういう人ならわたしも普段から喧嘩しません。
「ザクレロはなぁ!ザクレロは、黄色なんだよ!!!!」
遂に言っちゃいました・・・本人から。言わなければ大きな仕事のミスをしているという図式で、たまには社長らしいことしてんじゃん、になるのに。
「もう帰る!!」
って小さなザクレロを両手に抱えて、本当に帰っちゃいました。

すぐに周りの社員の方たちが「気にしなくていいよ」「明日になったら忘れてるよ、あの人」「いや、サリンちゃんがやってくれて本人もあとで反省するよ」などと慰めてくれたんですが・・・。
例の先輩だけが違ってました。
「ありゃサリンが悪いよ。あの人にとってザクレロがどんだけ大事か、知らなくても判ってるでしょ。」と。
確かにそうだなぁ・・・40を超えてるはずなんだけど、そんな大人がザクレロ両手に持って、びゅーん!どっかーん!って・・・下手したらちょっと知能に障害がって言われてもおかしくないのに。
そんな大切なものを、わたしは勝手にいたずらしちゃったんですよね・・・。ちょっと、ちょっとだけ納得はいかないけど、でもわたしが全部、100%悪いんです。
「サリンが本当に悪いと思ってるんだったら、元通り直して返せ。社長の部屋の戸棚の下の隠れてるとこにプラモデルの道具全部入ってるから、今からそれ借りて直せ」
他の社員さんは「サリンちゃんがそんなことしなくていい」っていっていたんですけど、ホント先輩の言う通りだと思います。
でもココでまた黙って借りたら、同じことの繰り返しになってしまいます。だから明日、ちゃんと社長に謝ってから道具を借りて、色を塗り直してお返しすることにしました。



かなり長くなりましたね・・・実はまだまだあるんです。もうこの日はホント、めまぐるしく。

その日は、わたしも仕事を続ける気にならず、早めに帰りました。家についても気分は晴れず、本を読んでも頭に入らないし、映画も楽しめないし、食欲もないから料理もダメだし、ゲームもする気になれないし、、、長めにお風呂に入ってから窓の外をボーっと見てました。明日謝ったら許してくれるかなぁとか考えながら。

何時くらいかなぁ。多分9時くらい。社長から着信。
「ザリン~~ゴデンダダイィィ~オゴッデゴデンダダイィィィ~~~」
は?社長はん・・・どないしはったんやろ・・・え?
「ユドゥディデ~~~ハヂ、ハヂ、ハヂゴウアゲルガラァ~~~」
もう会話にならない大声。更に電話の向こうから聞き覚えのある声で「アンタちゃんと言いなさい!!だらしないわね、ちょっと代わりなさいよ!」と、これまた大きな声が。
社長に時々連れて行ってもらうスナックのママ?パパ?オカマのリンさん(仮名)でした。
「ちょっとサリンちゃん、聞いたわよ、聞いた聞いた。あんたナカナカやるじゃない。黄色をピンクにしちゃったんでしょ」
どうやら社長は帰る!って言ったあと、リンさんのお店に直行したみたいです。
「こういう商売してると時々あるのよ、開店前に押し掛けて飲ませてくれって。たいていそういう客はさ、話を聞いてほしかったりしてさ、だからアタシも開けてあげんのよ。ダルマちゃんも昔一回あってねぇ~、まぁそん時はアタシも事情判ってたから、店開けてっていうかその日の営業はやめてさ、お店の女の子も話判る子だけにして、ダルマちゃんの貸し切りにして朝まで付き合ってあげたんだけどね。でも今日のはさーーー、ちょっとどうなのアンタ」
一気にまくしたてられました。
「すみません~~~・・・わたしがいけないばっかりにリンさんにご迷惑お掛けしちゃいまして・・・今から迎え行きますんで」
「こなくていいわよ!っつうかくんなよ!大事なお客さまなんだから、これからしこたま飲ませて稼がせてもらわなくちゃいけないんだから。でもほら、理由がさ、ザクレロでしょ・・・この商売始めて長いけど、そんな理由で店開けたの初めてよ。ザクレロをピンクに塗られた!ピンクに!!って」
「ホントにすみません」
もう謝るしかできません。
「でもアンタさ、アレよ。ダルマちゃんはサリンちゃんのことかわいくてしょうがないのよ」
え?
「だってさ、ダルマちゃんともうかれこれ15年くらいのお付き合いだけど、最近アンタの事をよく言うわよ彼。『サリンがさぁこういうんだよ』とか『サリンが今こういう仕事して頑張ってんだよ』とかさ。そりゃイイことばっかりじゃなくて『サリンと喧嘩した。あいつは生意気だ』っていう事もあるんだけどね。でも15年間の付き合いで会社の人のことを言うのってほっとんどないのよダルマちゃん。それにこのお店に連れて来たのも数人よ。サリンちゃんは月一回は連れてきてもらってるでしょ。いないわよそんな人。だからダルマちゃんはホントにアンタのことがかわいくてしょうがないのよ」
ちょっとちょっとちょっとちょっと!!
え?それって・・・え?
もしかして・・・もしかして始まった?え?始まったの??え?えええええ!!!
うん・・・そりゃ一回りも上の方やけど・・・でもまぁ別にそこは大丈夫・・・え?始まった?
「とにかくさ、アタシと女の子で3時間、みっちり説教してやったから。ダルマちゃんを説教したから。本人も泣くほど反省してるからさ、アンタも女ならコレでダルマちゃんのこと許してあげなさいよ」
「いえ、許すも許さないも、わたしがいたずらしたのが原因ですから」
「バカちがうわよ!こういうとこで男の大事な部分をキュッって締めるのが女の腕の見せ所なのよ!自分が悪いとか悪くないなんて関係ないのよ。こういうところでちゃんと締めないからだらしない男が増えるのよ!わかった?ダルマちゃんに代わるからね」
「あ、はい・・・」
因みにダルマちゃんっていうのは社長のことです。見た目がダルマなんです。
「ゴデ・・・ゴデ・・・ゴデンネ・・・オゴッテゴデンネ・・・」
「わかりましたからとりあえず鼻をかんでから喋ってください」
ブヒヒヒーーーーという音のあと、色々話をしました。

一応わたしもチャンと言っておかないといけないと思いまして、「いっぱいあったからイタズラ心で色を塗ってしまった、反省している」ということと「盗むつもりはなかった。塗ったあとまた戸棚に飾っておくつもりで、一個だけピンクというのがかわいいと思っていた。しかし社長が一日早く、返す前に戻ってしまったから盗んだと思われたかもしれない。わたしが悪かった」ということは言いました。
社長は、大人気なく怒ってすまなかった、わたしがやったこととかではなく、あんな反応をしてしまった自分が情けなく、反省している、許して欲しい。わたしが塗ってしまった八号ザクレロはお詫びとしてわたしに進呈する、というような事をいいまして。
いや要りませんから、という押し問答の末、ありがたく頂戴することになりました。

他にもいろんな事を教えてくれました。

社長の家は小さな頃、事情があってすごく貧乏でした。その事情は前にリンさんのお店に行った時に教えてもらいましたけど、あまり関係ない話なんで割愛。
ともかくお小遣いなんて貰える状況じゃないほどです。
例えばお年玉。親戚から貰ったお年玉をお母さん銀行に預けるというのはみんな小さな頃は経験があると思います。そしてその中の一部をお小遣いとしてもらい、それで十分だったと思います。
社長の家は違いました。お年玉を貰うということは、親は親戚の子どもにお年玉をあげるということです。けれど親戚の子どもに渡すお年玉がないから、正月の親戚付き合いができずお年玉を貰う事がなかったそうです。

そんな子どもの頃に大ブームになったのがガンダム。そして「ガンプラ」というガンダムのプラモデル。今はヤマダ電機にいっても大量にあるガンダムのプラモデルですけど、社長が子どもの頃のブームというのはそれはそれはすごかったそうで・・・。

おもちゃ屋さんになかったそうです。入荷して即売り切れってレベルじゃなく、予約で全て終わりとか、そんな勢い。
これは社長の地元だけなのかもしれませんが、そのお店は予約は一切受け付けなかったらしいんですね。多分予約受付したら業者が買い取って転売しちゃうからじゃないか?と社長は鼻をすすりながら言ってましたけど。

価格は300円。入荷日になるとお金を握りしめた小学生が黒山の人だかり。
けれど社長はお金がない。お金がないけど見るだけなら無料だから、とりあえず毎回行くだけは行っていたそうです。
でもやっぱりそうなると欲しくなるのが人情。
いいなぁ・・・欲しいなぁ・・・でもお金ないし・・・盗む・・・のはダメだし・・・。
「だからサリンがザクレロ持ってっちゃったの、オレその気持ちすごく良くわかるんだよ!痛いほどにわかるんだよ!!」
「いえ、わたしは返しそびれただけですから。それに社長が一日早く帰ってきちゃっただけですから」
300円のお小遣いもなかったチビダルマくんは、お手伝いをしてお金を貯めたそうです。といっても家のお手伝いなんてのはその前から当然のごとく無償でやらされていたわけで。
家から少し離れた場所にある工場の人と仲良くなって、草むしりとかカンタンな荷物運びや片づけのお手伝いをして、でもお金を貰うためにやるというのがなんとなく悪い事というか、それが知れられたら親に迷惑がかかると思って、遊び感覚でお手伝い。するとお駄賃的に「ジュース買ってきて」と200円を渡される。当時ジュースが90円で、2本買うと20円があまる。その20円を貯めて300円に。

大事な大事な300円を握りしめ、待ちに待った入荷日。いつもは人混みの一番外側から眺めているだけだったのですが、その日は人混みに入れます。
ガンダムが買えたらいいなぁ・・・ザクでもいいなぁ・・・シャーザクなら最高だけど、人気があるから無理だろうなぁ・・・ドムよりはグフのほうがいいなぁ・・・色んなことを考え、胸を膨らませて人ごみに入っていったそうです。
あ、思い出した!このくだりで「胸ふくらませたんだよ!サリンも膨らむといいな!」っていったから「アンタ反省してはらへんのとちゃいますのん?」って言ってやりました。
締めときました!

そして待ちに待ったチビダルマくんの順番!
ここで大人の事情にチビダルマくんは愕然としたそうです。
なんとガンダムやシャーザクといった人気のあるプラモデルは、人気のないプラモデル「ジュアッグ」や「ジム」「ボール」といったものとのセット販売になっていたそうです。
つまり300円じゃ買えないと。
今では独禁法違反になるような売り方も、社長曰く「俺達で実験させられていた」そうです。

お店の人も多分良い人なんだと思います。単品のザクなどは既に売り切れ状態だけど、普段は外で見てるだけの少年が、今日は輪の中に入ってきてるということで、ガンダムとボールのセットを残しておいてくれていたんですが、チビダルマくんにはそれを買うだけのお金がありません。
ここで買わずに帰るということもできたのでしょうが、「貧乏人にもプライドがある」というチビダルマくんは「これこれ、これが欲しかったんだよ!よかった残ってて」と、あまりにも人気がなさすぎてセット売りからも外れ落ちてしまっていたザクレロを買ったそうです。

「初めてかったガンプラがさ、ザクレロなんだよ」
チビダルマ少年はそれを大事に作って、工場の人に見せに行きました。それはそれは褒めてもらったそうです。
物を作って褒められるというこの経験が、今の職業の原点だったかもしれないとも言っていました。

その後、家の方も落ち着いて少ないながらもお小遣いをもらえるようになり、成長してバイトしたりなんだりと自由になるお金も増え、いろんなガンプラを作ったそうです。
でもザクレロだけは特別な存在。
だから自分の人生で何かキッカケがあった時、ザクレロを作るそうです。
例えば就職した時や大きな仕事を納品できた時に、ザクレロを作るそうです。
たいてい仕事関係で作るのは小さい方だな、とも言っていました。

ザクレロのプラモデルは、メーカーも人気が無い事を自覚していて、一つのプラモデルの中に大きいのと小さいので2つ入っているそうです。ただ社長みたいなモノ好きも世の中にはいるということで、一応メーカーから復刻版として当時のままで発売はされているとのこと。今は新しいプラモデル技術があるらしいんですけど、ザクレロはどうせ買う人も少ないから昔のままでいいでしょ、数もそんなにいらないよね、と少ないみたいなんですね。
「だから見かけたら買い占めてんだよ」
「え?まだあるんですか?」
「うん、あの戸棚の横に扉付きのロッカーあるだろ。あん中にいま20個くらい入ってる」
・・・会社の重要書類が入っているかと思ったら・・・ザクレロッカーかよ!!

「じゃああの8号も、なにかのキッカケで作ったんですよね?」
「うん、息子が生まれた時」
え?ええええええええええええええええ????
子どもいたの!?っていうか結婚してたの???
終わったわぁ・・・始まったと思ったら、10分で終わったわぁ・・・。
早かったわぁ・・・あっけなかったわぁ・・・。

でも結婚しているという事は聞いた事ないし、ましてや子どもがいるような話題も本人だけじゃなくまわりからも一切出ないし・・・。っていうかこの人の生活パターンで家族いるって、ちょっと家族が可哀そうすぎる。

といっても本人から直接言われたんだしなぁ・・・。
「いやいやいや、そんな大事なもの貰えませんよ!!っていうか本当にごめんなさい!そんなに大切なものをピンクに塗っちゃって」
「もうそのことはいいんだよ。大事に使ってね」
使ってっていわれても・・・あれでビューン!ズババーン!とやればいいんでしょうか。

結局最後はそんな衝撃的な事実の発覚で吹き飛んで、うやむやな感じで電話は終わりました。

そうかぁ・・・子どもがいたのか・・・。
なんだろう、このモヤモヤした感じ。

ともかくザクレロ事件は一段落。
その後一応先輩に和解したことだけは言った方がいいと夜中に思い出し、夜の11時過ぎにガンガン電話ならして「社長と和解したから!以上」とだけ叫んでブチッと切りました。
そんな5秒にも満たない先輩との電話の向こうで、聞きなれたガンダムオンラインのBGMが流れてました。

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ながかった・・・書くのに1週間以上かかっちゃった・・・。