一期一会。
よく聞く、使い古された言葉だと思っていた。
息子の持っている『三省堂例解小学国語辞典』を開いてみると、
「一生に一度だけの大切な出会い。【参考】もとは茶道で使われた言葉。」
……薄っ!!
違う、違うんだよ!
そんなんじゃないんだよ一期一会は!!
わたしが初めて「一期一会」をビシィと意識したのは、高校の茶道の授業中。
先生が最初の授業で言った。
「千利休はね、この茶会は一度きり。同じ客人でも、同じお菓子でも、同じ景色でも、二度と同じ会にはならないって考えていたんです」
そのとき、頭をガツンと殴られたみたいな気がした。
そうだよね、同じメンバーで集まっても、
同じ遊びをしても、
その日の空気、そのときの気分、その一瞬の流れは、もう二度と戻ってこない。
“同じような時間”はあっても、“同じ時間”は存在しない。
そして今。
夫と、息子と、らん丸と、わたし。
毎日同じように過ごしているようで、
昨日とまったく同じ一日なんて、ひとつもない。
そう思ったとき、息子と一緒に映画館に行った日のことを思い出した。
【参考】ちょっと映画行ってきた。スーパーマリオギャラクシー★![]()
あの空気、あの並んで座った時間、
終わったあとにキャッキャと盛り上がって話した感想。
たぶんこれから先、
「ママと映画行こう」なんて、そう何度もあるわけじゃない。
もしかしたらあの日がもう、
“二度と来ない一回”だったのかもしれない。
そう思ったら、あの時間が少しだけ、キラキラと輝いてみえた。
わたし自身だってそうだ。
最近は、理由もなく気持ちが揺れたり、
体のどこかが小さく不調を訴えてきたりする。
昨日と同じわたしでいるつもりでも、
体も気持ちも、少しずつ変わっている。
……ついでに言うと、
12年前のバキバキに引き締まったモデル体型のわたしも、きれいさっぱりいない。
(あれも一期一会だったのかもしれない)
だからこそ思う。
今日この瞬間は、たった一回きり。
何気なく流してしまいそうな時間ほど、
ほんとは全部、一生に一度の時間なのかもしれない。
あとから思えば、涙が出るほど愛しい瞬間なのかもしれない。
さて、今日はどんな“一期一会”になるのかな!
少しだけ、丁寧に過ごしてみようと思う。