真理の伝播による世界平和の実現★

 

                【 人間関係 】

 

私に詩集の表紙絵を依頼して来たのです…これはH氏だけではなく多くの人に言えることなのですが、画家にとって絵を描く事自体が、簡単な作業と思っている様なのです。私にとっては常に大変な挑戦であり、そこには産みの苦しみが在るのです。…★69

 

私は「アメリカ詩集」と云う本の題名に則り、人種の坩堝と呼ばれるアメリカらしく公園における多種多様な人間の姿を描く事に決めました。この公園(ペンシルバニア州・フィラデルフィアに在るリトゥンハウス・スクウェア)は全米でも最も古い公園の一つで、街のど真ん中の一等地に在ります。(H氏もしばしばこの公園のベンチで寛いでいた様です。)遠くの通りには、当時の川崎重工業による街のバスが見えます。この絵を描く為に、私は八月の一番暑い盛り(平均38度)の中で八日間公園の中央に携帯用のイーゼルにキャンバスを立て制作に当たりました。

 

その後、その同じ場所での公園でくつろいでいる人々、又行き交う色々な人々を何度も写真に撮りに行き、アトリエで四週間掛けて絵に描き入れて、同時に想像して描いた人達・犬・子供・ボール等そして私自身も画面の中に入れました。公園の中央には溜池が在り、そこに水瓶を持って立っている女神の銅像が、二百年以上もの間、その公園に来る人々を眺め続けていて、見守っていると云う設定・コンセプトです。         

 

公園に居る人達の一人一人に各々の生活と思いが在って偶然そこに居合わせたのですが、それまでも、そして、これからもタイムレス(永遠)に続いて行く様な日常の、その一瞬を捉え、自分の絵の中にいつまでも、後世まで残すと云う思いで描いていました。… 

私にとっての絵画と空手は、何処にあっても又、何処に居ても常に私の一部であり、私の青春そのものなのです★70

 

シンさん(★66~67・★71~72)とH氏(★68~69)の両人は、共に私よりもずっと年上(シンさんは19歳年上・大学教授のH氏は9歳年上)で、大分昔に亡くなっていて既に時効でもあるので、ここに初めて紹介しているのですが、私がここで思う事、又云わんとする事は、私達人間は自然に他の人の人格・魅力に引かれて、友好関係を築いて行きたいと思うものですが、一方では利害関係・社会的な地位という…物差しを持って互いに人を判別して交流を保とうとする事も現実です。いずれにしても、ここで一番重要な事自分に対して礼を尽くす・決して恥ずべき行為はしない、同時に他に対して礼を尽くすと云う事です。