心中天網島 | まるじなりあ

心中天網島




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 近松 門左衛門 晩年の人形浄瑠璃、全三段世話物の傑作 "心中天網島" を、篠田 正浩 監督が詩人 富岡 多恵子 の脚色と、観客、狂言回し、演出の三位一体の視線、ダブルロールと実験的な手法で描いた名画である。

 篠田 桃紅 の絵が美しい。

 錦帯橋、倉敷のなまこ壁を背景に、黒衣の配置、時間の静止、浮世絵、書による空間表現、構図の美に 武満 徹 のスコアがたらし込まれている。

 アバンタイトル、製作過程の電話に始まり、人形思しきヒロインのメイクと所作、科白まわしと、太夫、三味線、人形遣いの三業の韻を踏み、文楽に最接近した映像美の快挙である。



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岩下 志麻 / 二代目 中村吉右衛門



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