日本映画

 

「潜水艦イー57降伏せず」(1959)

監督 松林宗恵

主演 池部良

 

 

 

 

 

 先日パソコンのウィンドウズが更新するのに空き容量が足りないと言ってきました。仕方ないのでデータ量の大きい項目を削除していましたら昔取り込んで放置してあった映画がいくつか出てきたのでつい観てしまいました。今回はそのうちのひとつ「潜水艦イー57降伏せず」の話です。

 制作は東宝。監督は松林宗恵で円谷英二の特撮もあります。

 そして主演は池部良。池部さんは立教大学を卒業後東宝に入社して映画に出ていたところ召集となり、甲種幹部候補生、陸軍予備少尉となり現インドネシアのハルマヘラ島へ配属されます。(途中で輸送船が敵潜に沈められてセレベス海を10時間泳ぐ。)同島で終戦を迎えて内地へ帰還して俳優復帰。

 本作では潜水艦の艦長役です。海軍の制服もスマートでかっこいいです。

 物語は昭和20年6月。イー57潜はペナンへ寄港を命じられます。ここで重要な任務として某国の外交官親子を中立国であるスペインのカナリヤ諸島まで送るように言い渡されます。(これは史実にはない本作のフィクションです。)これは敗戦濃厚となったいま、国際的に影響力のあるこの人物と娘を連合側にひき渡すことで講和を少しでも有利にしようという政治的な任務で、これまで前線で戦ってきた艦長にとっては衝撃の命令となります。

 日本の潜水艦を大西洋に送る作戦は実際にいく度かありましたので、本作ではそれらを参考としているのでしょう。潜水艦の内部の様子や乗組員のユーモラスな雰囲気なんかも忠実に再現しています。(松林監督はもと海軍なのでかなりこだわっているようです。)

 

 

 女性が乗ってきたのではしゃぐ兵隊さんたち。

 本作のイー57は海上自衛隊の潜水艦「くろしお」を使用しています。(元米海軍のガトー級潜水艦ミンゴ、基準排水量1500トン)

 艦内では垢すり大会。

 優勝者には潜水艦では大変貴重な水を盥(オスタップ)いっぱいに与えられました。(すばらしい顔です。)

 遊んでばかりはいられません。英国の駆逐艦に見つかりました。

 沈黙と緊張、、、、、。

 

 

 だめです、爆雷攻撃です!

 

 

 やむ負えない、魚雷よーーい!てぇーーー!

 

 

 やった、轟沈です。

この時代はもちろんCGなんかありませんが、このような特撮がすごい迫力です。

 そのほかいろいろあってついに目的のカナリヤ諸島に到着するのですが、ここでも英国の艦艇に遭遇してしまいます。他に給油の問題もあって、まずいことにここからペナンに戻るための燃料がもうありません。

 難しい決断ですが、艦長は一時白旗を掲げ、英艦に打電。親子を向こうに引き渡します。これでイー57に課せられた任務はとりあえず果たせたとも言えます。しかし、、、、

 

 イー57自体は英軍の捕虜となるわけではありません。

 艦長は全員に第二種軍装着用を指示。そしてまずは司令部に打電。

「伊号第57潜ハ任務ノ解カレタ事ヲ確認シ 只今ヨリ敵駆逐艦ト戦闘ニ入ラントス

全員指揮旺盛ニシテ ソノ責任ヲ 全ウセリ」

 

 つづいて英艦に向けて

「日本潜水艦伊57ハ 降伏セズ 戦闘ヲ 開始スル!」

 

 

 

 

 敵艦に囲まれていましたが要人引き渡しの為に止む負えず休戦したイー57はここで戦闘を再開。絶体絶命の状況ですが敵の降伏勧告は受け入れず、最期まで戦うことを宣言。最期まで。そのために松林監督は全員に第二種軍装を着せるという演出をしたようです。

 今回は日本映画「潜水艦イー57降伏せず」でした。

 池部良がかっこよすぎです。そして潜水艦とその乗組員の様子が丁寧に描かれていて資料的価値もあります。戦闘シーンも緊張感があってよかったです。特撮も。潜水艦映画といえばドイツの大作「Uボート」が有名ですが、古い日本映画もいい味出していると思います。

 

 パソコンが重いので映画はDVDにコピー。レンタルの作品もそうして集めることにしました。いつかホームシアターセットでも組んで大スクリーンで楽しみたいです。

 

(おすすめ度☆2.8)