ロシア映画

「Dorga na Berlin」(2015)

監督 セルゲイ・ポポフ

主演 ユーリー・ボリソフ

 

 

 

 

 

 

 最近はコロナの影響と寒いのとであまり外出をしていません。家で本を読んだり映画を見たりしています。

 先日はアマゾンプライムで「Dorga na Berlin」というロシア映画を見ました。こちらの邦題がまたすごくて、「スターリングラード大進撃 ヒトラーの蒼き野望」という壮大なタイトルになっています。これはきっとアドレナリン全開の戦争映画ですので気合を入れて再生しました。

 結論から申し上げますと、この映画はのんびりロードムービー風の作品となっています。感動系です。邦題はミリタリーファンを引き付けるためのキャッチコピー的なものでした。やられたっ。

 

 舞台は1942年のソ連南部地域。ドイツは独ソ戦2年目の夏季攻勢〈「青」(ブラウ)作戦〉を発動し、コーカサス地帯を占領して油田地帯を確保しようと進軍します。(でもコーカサスはさすがに遠すぎるし大変なので断念。途中から作戦をスターリングラードを攻略に変更。そして大失敗ということになります。)

 

 ソ連軍の通信担当将校オルガコフ中尉(主人公)は、参謀本部から師団への伝令を命じられますが、道中でドイツ軍の攻撃に遭い、任務を放棄し逃げ帰ってしまいます。軍法会議にかけられ銃殺を宣告されたオルガコフは、独房に入れられ、もう一人の主人公ズラバエブが監視を命じられます。

 しかしここにもドイツ軍の攻撃の手が回り、ズラバエブはオルガコフを連れて脱出。二人は師団の本部を目指して広大な南部ソ連地域を歩いていきます。

 途中でドイツの装甲部隊の攻撃にあったりいろいろあって大変です。そんな中で徐々に二人の間で友情が芽生えてきてちょっといい映画となっています。

 ズラバエブがまたとにかくまじめな男。命令には絶対というタイプの兵隊。そして異常に無口。ほとんどしゃべりません。ソ連の人はアジア系の血が入っている人もけっこういるので顔のタイプが様々のようです。例によってロシアの作品は人の名前が覚えられないです。

 ソ連軍といえば兵隊に対する扱いがひどいことで有名です。本作の主人公も伝令失敗というだけで死刑という扱いになっています。こういう部分をちゃんと描いている映画は好感を持てます。ほんと当時のソ連はめちゃくちゃ厳しいですね。

 

 あと、敵のドイツ軍兵士は昔のアメリカ映画とかだとものすごく雑に「無能なショッカー」みたいに描かれることが多いですが、ロシア作品だと「恐ろしい侵略者」のような存在として登場することが多いと思います。戦車軍団が押し寄せてきたり、実際にドイツ軍の攻撃は熾烈を極めたものだったんでしょう。彼らにとってみればこの戦いは祖国を守る「防衛戦争」なわけです。映画を観ているとドイツ軍に対して頑張っているソ連兵に熱いものを感じます。例の「ウラーっ!」という掛け声で突撃するシーンもありました。

 

 でもまあ、だいたいは二人でとぼとぼ歩いているシーンがほとんどです。ロシアの広大な景色がとにかく綺麗。日本だとあまりなじみがないですが、映画の中で写るロシアの風景はかなり魅力的です。ヨーロッパとはまた少しちがう日常の生活や文化も見ることができるのも新鮮です。

 

 ロシア映画ハマりそうです。昔の古いやつも借りて観てみようと思います。