今回も、僕が学童で働いていたときの一言です。


僕が働いていた学童には、個別級に通う子が何人かいました。


僕が時間になると、その子達を学校まで向かいに行っていました。


その時、1人の男の子Aくんが僕にこう言いました。


A「僕は頭がおかしいの?だから他の子と違う教室にいるの?」


僕はすぐにこう言いました。


安堵「そんなことないよ。お父さんお母さんが、ゆっくりとAくんに勉強して欲しいから、今の教室にいるんだよ。だから頭がおかしいなんてことはないよ。」


そう言うと、


A「そっかぁ!じゃあ、パパとママにありがとう言わなきゃだね。」


そう言いました。


発達障害を持つ子たちはみんな純粋で、可愛かったです。


僕はAくんに誰に頭がおかしいと言われたのか聞きました。


すると、言った相手は同じ学童に通うBという男の子でした。


僕とAくんが学童に着いた頃、


Bはいつも通り、サッカーをしていました。


僕がBを呼ぼうとしたその時、


Aくんは僕にこう言いました。


A「安堵、可哀想だから怒らないでね。」


安堵「怒らないよ。でも、Aくんがなぜあの教室にいるのかを勘違いしているから教えてあげるんだよ。だからお話をさせて?」


すると、Aくんは僕の服の袖をギュッと握って頷きました。


僕がBを呼び、頭がおかしいと言われて嫌な思いをさせてしまったことと、違う教室にいる理由を教えました。


Bは「もう2度と言わないよ。嫌な思いをさせてごめんね。」

と言いました。


Aくんは涙を流し、


A「僕もごめんね。」


そう言いました。


その後、3人で鬼ごっこをして遊びました。


Aくんが言った「僕もごめんね。」


というのはどのような感情だったのでしょうか?


僕に言ってしまったことを後悔しているのか。


Aくんに言わないでと頼まれた時、「分かった」と


承諾した方が良かったのか。


みなさんならどうしたでしょうか?




「人には誰でも障害を持っている。短気も、優し過ぎるのも障害である。」


この言葉は、


僕が専門学校に通っていた時に、授業で先生が言っていたことです。


とても良い言葉だなと思いました。



僕が保育士をしていた時のあるAくんの一言です。


僕がしていていた保育士は学童保育士であり、


僕が勤めていた学童では、


おやつ後に掃除の時間があり、


Aくんは食器洗いの当番でした。


その時、Aくんは小学3年生でした。


僕がいつも通りくだらない話をして、


みんなで賑やかに食器洗いをしていましたが、


もうすぐ食器が全部洗い終わる頃、


Aくんが急にこんなことを言いました。


A「今日、学校で知らない人にすれ違う時に耳元でデブって言われたんだよね。」


それまで賑やかだった雰囲気が、急に気まずい雰囲気になりました。


安堵「今は太って見えるかもだけど、背が伸びるにつれて体格が良い人っていう人になるでしょ。体格が良い人ってカッコよくない?」

と言うと、


一緒に洗い物していた小学6年生のBくんは、


B「俺ももっと肉つけて筋肉にしたいけど、全然肉つかないから羨ましいよ」

と言いました。


それを聞いたAくんは少し涙目になりながら、

「ありがとう」

と言いました。


安堵「大丈夫だよ!Aは優しいから、きっと優しくて強い男になれる!」


そう言ったあと、僕はBくんと一緒にAくんのいないところで、


Aの悪口を言ったやつの悪口を言いまくりました。


それから数年が経ち、Aくんが学童を卒所する時、


Aくんが僕に言いました。


A「安堵はもう覚えてないかもしれないけど、俺が上級生にデブって言われて落ち込んでた時に励ましてくれたこと、一生忘れない。本当にあの時落ち込んでたから、凄く嬉しかった。」


この仕事をやっていていて良かったなと思った一言でした。


あの時、なぜAくんがあのタイミングで言ったのかを時々考えます。


わざわざ賑やかなタイミングで言ったのには何か意味があるんじゃないか、


自分は落ち込んでるのにヘラヘラと笑っている僕らが不愉快だったのか、


面白い話に便乗して自虐ネタを言ったのか、


それとも他の理由か、


その真意を聞くことは、できませんでした。


何であのタイミングで言ったの?なんて聞いたら、


捉え方によっては、


空気を壊しやがって!


って言われてるようにも感じ取られる場合もあると思ったからです。


僕にとってAくんは保育士をやっていた中で1番と言っていいほど、


優しく、下の子の面倒も見てくれる子でした。


今でもInstagramでは繋がっており、


写真でしか今の様子は見れないけれど、


とても幸せそうに友達と遊んでいる姿を見ると、


心から良かったな〜。


と思うのです。