僕が保育士をしていた時のあるAくんの一言です。


僕がしていていた保育士は学童保育士であり、


僕が勤めていた学童では、


おやつ後に掃除の時間があり、


Aくんは食器洗いの当番でした。


その時、Aくんは小学3年生でした。


僕がいつも通りくだらない話をして、


みんなで賑やかに食器洗いをしていましたが、


もうすぐ食器が全部洗い終わる頃、


Aくんが急にこんなことを言いました。


A「今日、学校で知らない人にすれ違う時に耳元でデブって言われたんだよね。」


それまで賑やかだった雰囲気が、急に気まずい雰囲気になりました。


安堵「今は太って見えるかもだけど、背が伸びるにつれて体格が良い人っていう人になるでしょ。体格が良い人ってカッコよくない?」

と言うと、


一緒に洗い物していた小学6年生のBくんは、


B「俺ももっと肉つけて筋肉にしたいけど、全然肉つかないから羨ましいよ」

と言いました。


それを聞いたAくんは少し涙目になりながら、

「ありがとう」

と言いました。


安堵「大丈夫だよ!Aは優しいから、きっと優しくて強い男になれる!」


そう言ったあと、僕はBくんと一緒にAくんのいないところで、


Aの悪口を言ったやつの悪口を言いまくりました。


それから数年が経ち、Aくんが学童を卒所する時、


Aくんが僕に言いました。


A「安堵はもう覚えてないかもしれないけど、俺が上級生にデブって言われて落ち込んでた時に励ましてくれたこと、一生忘れない。本当にあの時落ち込んでたから、凄く嬉しかった。」


この仕事をやっていていて良かったなと思った一言でした。


あの時、なぜAくんがあのタイミングで言ったのかを時々考えます。


わざわざ賑やかなタイミングで言ったのには何か意味があるんじゃないか、


自分は落ち込んでるのにヘラヘラと笑っている僕らが不愉快だったのか、


面白い話に便乗して自虐ネタを言ったのか、


それとも他の理由か、


その真意を聞くことは、できませんでした。


何であのタイミングで言ったの?なんて聞いたら、


捉え方によっては、


空気を壊しやがって!


って言われてるようにも感じ取られる場合もあると思ったからです。


僕にとってAくんは保育士をやっていた中で1番と言っていいほど、


優しく、下の子の面倒も見てくれる子でした。


今でもInstagramでは繋がっており、


写真でしか今の様子は見れないけれど、


とても幸せそうに友達と遊んでいる姿を見ると、


心から良かったな〜。


と思うのです。