普段は診療所で看護師パートしている。


以前 働いていた場所で


人手不足になると


「バイトしない?」って声がかかる。


年に1〜2回のことなので


予定さえ合えば バイトしている(笑)




ここのドクターは


若い頃 癌になった。


症例が少ない部位の癌だった。


今は経過観察中。




バイトの私が、たまたま診察室に


入った時のことだった。


消化器系の治療で来ていた患者さん。


ここでは消化器しか診ていないが


癌を抱えていた。




原発から肺に転移してるのは


ここの医師も、ご本人も承知していた。




咳が続く為、


胸のレントゲンを撮影したら


看護師の私でも「えっ!?」と


言葉を失うような画像だった。




よくお聞きすると


癌の治療を 諦めてしまって


治療らしいことはしていないそう。




胸のレントゲンの経過を比較すると


明らかに悪くなっていた。




専門外になるので


ここでは治療できない。


癌を治療していた病院に戻ることを


医師は強く勧めていた。




患者さんは5年以上、治療してないから


「もう、今さら」と諦めてモード。




そこで、医師が一言。


5年も経てば、癌の治療は

変わってきている。

もしかしたら

あなたに合う治療があるかも

知れないから、すぐに行きましょうよ。

苦しいの取った方がいい!!




たまたま診察室に入った私は


出るに出れなくなっていたが、


その言葉に大きくうなづいた。




ここまで医師が


熱のこもった言葉を伝えても


嫌なら仕方ない、、、と


患者さんの顔を見たら


目が合ってしまった ・ω・




じゃあ 行ってみます、、、」


決心したような声で


患者さんが答えた。



医師は大急ぎで紹介状を書いていた。




転移してても 何でも


苦しいなら診てもらわなきゃ。


少しでも楽になって欲しい。




治療を諦めた背景には


いろいろあったんだろうな。


治療をしないという選択も


辛かったと思うけど


放置して5年


よくぞ生きていらっしゃった!と思うと


こちらまで 泣けてしまう。




ここの医師だって「がん患者」


再発に怯える「がん患者」なのである。




その医師ーの一言が きっかけで


また専門医の所へ行く気になった


患者さん。




偶然入った診察室なのに


こんな胸が震える場面に


立ち会ってしまって


看護師として


忘れられない出来事になりました。



私自身、乳がんになってから
空を見上げて 雲を見るのが好きになりました。
力が抜けるというか、、、。
それで、よくブログに雲の写真を使ってます。