【モン・ロワ】幸福なピロートークこそ真のセラピーである

先日、甘くないフランス映画を観てきました。

「ベティ・ブルー　愛と激情の日々」から30年大人になったすべての女性たちに贈るというふれこみ。

これは、観るしかないよね。

なぜなら、「ベティ・ブルー　愛と激情の日々」のゾルグが、私の色男アイコンだから。

（私が書いた「ベティ・ブルー　愛と激情の日々」のレビューはコチラからご覧いただけます）

20代の前半の頃は、「ベティ・ブルー」や「愛のコリーダ」の世界観に魅了され、「激情型の恋愛こそ、私の望んでいるもの！」と覚醒し、やや歪んだ恋愛観が形成されてしまったため、映画のように、愛し合いながらも傷つけあうような激しさを恋愛に求めていました。

ひとつの恋愛が終わる頃には、帰還兵のように、身も心もボロボロになっていました…（遠い目）

激情型の恋愛に疲れて、癒し愛をパートナーシップに求めるようになってからは、「私、精神的にも落ち着いてきたわ～」と解脱感に浸ってましたが、「今でも、心の奥底には、激しさへの欲求を内包しているんだなぁ…」と『モン・ロワ　愛を巡るそれぞれの理由』を観て、気づいてしまったのです。

ヴァンサン・カッセルが、ロクデナシなんだけど、悔しいくらいに色気があるジョルジオを好演しています。

「俺が俺だから惹かれたんだろ？」というセリフにぐうの音もでない。

「あぁ、惹かれるよね、憎たらしいのに…」
「別れるよね、でもまた、くっついちゃうよね、彼の魅力は強力な磁石だもん…」

と、主人公が、傷つけあって、求めあって、前向きになって、後ろ向きになる、10年間に添い遂げました。

10年という歳月が二人の関係を熟成させていきます。

映画の中には、見どころがいっぱいあります。

カジュアルなピクニック・ウェディングや初夜のピロートーク、リハビリ施設での友情、ドラッグストアでバイアグラを買うシーン。

フランス映画は、日常生活にセックスが溶け込んでいるのがいいなぁ、と思うのです。

AMでもワンシーンをご紹介しました。

～オーガズムフル・ライフより～

最近観たフランス映画『モン・ロワ　愛を巡るそれぞれの理由』の中でも印象的なピロートークシーンがありました。

主人公の弁護士のトニー(エマニュエル・ベルコ)と色男のジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)が、初夜を過ごした直後。

トニーが、ベッドで、ジョルジオに「私の（アソコの締り具合）は、大丈夫だったか？」とたずね、元夫に「アソコがゆるい」と言われて傷ついたエピソードを話し始めます。

ジョルジオは、「元夫のアソコが小さかったんじゃないか？」と、笑い飛ばす朗らかなシーンなのですが、「これこそ、セックス・セラピーだわ…」と思いました。

セックスのコンプレックスやセックス遍歴って、誰もが心の内に秘めているもの。

さらけ出すのも怖いし、できれば、臭いものには蓋をしつづけたい。

それでも、「この人になら、言ってもいいかな…」と勇気ある行動を起こし、そして、それを受け止める器のあるパートナーが存在することを実感したとき。

まさに、体だけじゃなく、心もひとつに繋がる瞬間。

～オーガズムフル・ライフより～

ロクデナシのバカヤロー！！

に、惹かれてしまう、私のバカヤロー！と、発狂したくなった夜。

モン(私の) ロア(王様)

私のパンドラの箱の存在感。

恵比寿ガーデンシネマで、しっぽり観るのが、ぴったりな映画。

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