強者か、弱者か。
先日、フランスは賃借人が非常に守られているということを書いた。実は、守られているのは賃借人だけではない。基本、金持ちは強者。お金を持っていないのは弱者。まあ、当たり前なことのように思えるのだが、そこに至るまでの経緯や事実はどうであれ、この“強者”のカテゴリーに入るか、“弱者”のカテゴリーに入るかが、フランスでは非常に大きな意味を持つ。この図式の“弱者”に当てはまる人たちは、状況によっては法律で非常に守られていて、時には“強者”とみなされているものたちが理不尽な扱いを受ける時がある。家主と賃借人の場合、当然のことながら家主が“強者”で、賃借人が“弱者”である。そして、本当に、信じられないことが起きる。以前、読んだ記事は、リタイアしたご夫婦の話だった。さて、そのご夫婦は、地方にセカンドハウスを持っていた。みなさま、お分かりになりますよね?そう、セカンドハウスを持っている時点で、このご夫婦は“強者”になるんです。ちょうど、去年の秋、自分たちの子供と孫たちと一緒に、セカンドハウスで数日過ごそうと、車で出発。しかし、セカンドハウスに着いてみると、そこには全く知らない家族が住み着いていた。「あんた、誰?」「何してるの?」「この家、私たちの家なんですけど?」誰でもそう思うシチュエーション。その家族、リタイアご夫婦がやって来る2〜3日前にやってきて、鍵屋に依頼して鍵まで交換。勝手に住み着くことにしたそう。しかも、ご丁寧に、電気の契約まで新しくして。外から見えるように、窓には張り紙。「小さな子供がいます!」しかもその家族、持ち主であるご夫婦を罵倒し、「追い出せるものなら追い出してみろ‼️」とまで言ったとか。当然のことながら、ご夫婦、警察に行った。しかし、「ここ、セカンドハウスですよね?しかも、外から見えるように張り紙までしてあって、“小さな子供がいるとは知りませんでした。”とは言えない状況。とてもではないが、裁判官の判決が出るまでは踏み込むことなんてできません。」なんだって〜⁉️そう、フランスの法律では、セカンドハウスの場合、住み着いて24時間以上経っているとすぐに追い出すことができないのだ。しかも子供がいると、尚更。我々が先日やったように、裁判官から強制退去通知を入手しないと、警察は介入してくれない。そんな手続きを踏まず、無理矢理家に入ってその場に住み着いた人を追い出そうとすれば、逆に、持ち主の方が罰せられると言う。我々が賃貸契約が切れたにもかかわらず、アパートにすでに8ヶ月以上も居座っている元賃借人を追い出したくても追い出せないのは、そのせいなのだ。我々の賃借人。ヤツは恐らく財産を見たら、遥かに我々よりもお金は持っている。しかし、“弱者”である賃借人な限り、法律で守られているのだ!例え、ヤツが我々のアパートから出て行かないことによって、我々が今住む住居が銀行に差し押さえられ、住むところがなくなっても、ヤツを無理矢理追い出してヤツが今住んでいる我々のアパートに住むわけにはいかない!!無理に追い出したら、こちらが罰せられて、罰金まで払うことになる。あり得んだろーーーーー‼️‼️落ち着け、私。落ち着け、私。。。。。。で、話を戻すと、そのご夫婦、自宅が遠いためその場で引き返すこともできない。着いたその日はセカンドハウスに入ることができなかったため、車の中で夜を明かしたと言う。もしかしたら、長い間働いてローンを払いながら手に入れたセカンドハウスかもしれない。一生懸命働いたご褒美に、そこで余暇を過ごそうとしていたご夫婦かもしれない。だが、住み着いたその家族を追い出すのに何ヶ月もかかるのだろう。しかも、そんなことをして住み着いた家族が綺麗に家を使ってくれるわけがない。取り返した後には、きっと膨大な修理代がかかるはず。追い出された家族は、そんなの自分には関係ないとさっさと消えてしまうだろうから、修理費を請求することもできない。信じられないけど、本当にあった話。まあ、あまりにも酷い話、ということで、法律が変更されるように、と言った動きがあるようですが、実際いつ変更されるのか。。。フランスでセカンドハウスを持つと言うのは、相当な覚悟がいるのである。