たばこの煙には、喫煙者が直接吸い込む煙「主流煙」と火のついた先から立ち上がる煙「副流煙」があります。
- たばこを吸わなくても、周囲に吸う人がいると副流煙をすってしまうことになり、これを受動喫煙(second hand smoking)といいます。
副流煙には、主流煙よりも高い濃度で多くの有害物質が含まれています。
また、喫煙者が口から吐き出す呼出煙も有害です。
空気清浄機やマスクなどでは、受動喫煙を防ぐことはできません。
そればかりか、ソファやカーテンに付着した有害物質による残留受動喫煙(third hand smoking)も健康被害を来します。
喫煙者が、たばこの害によって、自分だけが病気になるのであれば、自己責任といえるのかもしれません。
(たばこが原因で病気になった人々のために、多くの医療費が費やされているという問題もあります。)
しかし、受動喫煙によって、喫煙者と同様の病気、さらには喫煙者より重篤な病気にかかる人々がいます。
たばこによって、ガンの発生率が高まることは有名です。特に、肺がんは5倍、喉頭癌は30倍といわれています。
また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、別名「たばこ病」ともいわれ、そのほとんどが喫煙が原因で起こってくる病気です。ガンのように急性の経過をとることはまれですが、じわじわと息が苦しくなって、ついには酸素なしには生きることができなくなってしまう辛い病気です。
喫煙者は、自分の喫煙によって、その匂いや煙によって、周囲の人々を不快にしているだけではなく、たばこに含まれる有害物質によって、他人に傷害を与えているということを自覚すべきだと思います。