ロシアの独裁・独善者、殺人鬼ウラジーミル・プーチンが隣国ウクライナに侵略戦争を仕掛けた。

「バカにハサミを持たせた結果」と考えるべきだが、この侵略戦争に対して他諸国の「腰抜け制裁内容」に大変ご立腹な私だ(この理由は日を改めて記事にしよと思う)

そう言えば、お目出鯛元日本国首相(・・・・・・・・・・)が3,000億円近くをプーチンに貢ぎご機嫌な様子が写真に撮られていたが、このお目出鯛元日本国首相(・・・・・・・・・・)もまた「バカ」であったと感じるが、幸い「ハサミを持たせる」ところまでは許さず2度目の体調不良を理由に首相を辞任したが(本当に健康不安があるならば国会議員も辞め、治療に専念するべきではないか?バカだから往生際が悪いだけか)、貢いだ3,000億円近くが武力増強に使われたのではないかと勘繰ってしまう。

 

まあ、そんなことはどうでも良い。本日は、国際社会でロシアへの制裁の一つとして挙がり、その実施が決まったSWIFT、国際金融機関間ネットワーク S()ociety for W()orldwide I()nterbank F()inancial T()elecommunicationは金融機関だけが参加/加入できる資格を持つ世界ネットワークであり、インターネットが民間供用される以前より稼働している安全な通信網のことで「海外送金(一部では国内送金に利用している)」や「国外決済/清算」時に利用するものだ。

元金融マンとしてこのSWIFTと国際決済、国内決済について解説をご披露しようと思う。

一言付け加えておくと、資産運用会社は原則「金融機関」ではないので参加資格を満たす立場にはない、ということを。

 

 

まず、ロシアの金融機関に対してSWIFTの利用停止という措置が取られると、ロシアの金融機関は対国外の決済/清算が一切停止されてしまう。

その意味するところは、対国外のあらゆる取引、国際貿易、サービス提供、国外資産金利・配当・賃料、ロシア国内組織・個人が国内取引だけで得られる金員以外、一切金員取引ができなくなることを意味する【強制鎖国状態】。

 

拙ブログをご高覧賜る読者諸兄姉の理解を深めるために下記に図解したものを掲載するが、細かい部分で端折った(はしょった)部分があることをお断りしておく。

まず、現在の国際取引に掛かる資金決済には銀行以外の資金決済業者(PayPalAppleGoogle Pay等々)が介在している(国内ならコンビニエンスストアや一部小売店店舗も)

次に、Crypt-Currency 暗号通貨/資産と呼ばれる物、Bit Coin等も現在実際に決済手段として流通している。

上記2点については下記の図には反映させていないことをご理解いただきたい。

 

国際金融取引の実務から解説していこうと思う。

 

この図は海外から何かしらの「物」を輸入し、その「物」の代金を支払うことを想定した金員の移動とその指図(さしず)を図解したものだ。

SWIFT上で金員の移動は生じないし、SWIFT自身金員を扱うことは一切ない。

あくまでも“情報の送付”だけの機能しか持ち合わせていない、提供していないのがSWIFTである。

言わば、金融機関だけが利用できるeメールのようなものと理解していただければ十分だ(実際には決まったフォーマットが設定されているが)

 

少し古いインフラストラクチャーであるが国際取引にはTelex テレックスという多国間で通信文を送れる「電報」のようなものを利用して、国外取引相手方に情報を送ってきた(現在、その商業運用は廃止され一部軍用のみ利用されている)

しかし、このTelexは技術上、誰でもが簡単に「盗聴/傍受」ができてしまう。

また、送信相手を間違えて送信をするという「ファクシミリ」同様のミスも起きやすい。

そこで、参加/利用資格を金融機関だけと厳格に限定し、その通信は国家の諜報機関であっても「盗聴/傍受」をすることができないセキュリティを備えたCommunication Protocol 通信規格/手順を実装し、金融機関間の情報送信の機密性を保持したNetwork 通信網がSWIFTの実態だ。

SWIFT通信網を構築するために使用しているのは各大陸間、各国間に施設してある「(専用)通信/電話回線」であって、SWIFTが独自に通信網を構築/施設しているわけではないので、物理的理論上「盗聴/傍受」は可能なのだが「通信(電話)回線」を運用している通信企業も外部者に対してその通信の秘密を漏洩させるようなことを行えば、国際市場から排除さるだけなので実質的に「盗聴/傍受」は不可能と考えて差し支えない。また、通信プロトコル/暗号化技術は非公開となっているため一般部外者が「盗聴/傍受」をすることはかなり難しい仕様となっている】

 

ではそのSWIFTのネットワーク上でどのような情報を送信する必要性があるのか?

SWIFTには個々の金融機関に一意の個別識別記番号、IDが付与されていて、その一意のIDをもってして送信相手の信用を担保させている【第三者のなりすましが不可能=送信者からの送信であることの保証】。

次に、送受信する情報は金員の移動指図(さしず)、有価証券の移動指図(さしず)等である【移動の意味は「払い出す」と「受け取る」だ】。

この情報に付随するのは「どの口座から【口座情報】」「いつ【決済実行日】」「誰と【決済対象金融機関と口座情報】」「何を【金員か有価証券か、その他のものか】」「いくら【金員なら金額、有価証券なら数】」「どうするのか【「払いだす」のか「受け取る」のか】」だ。

例示をしておこう(カッコ内は有価証券の場合の例示)

どの口座から【Account】:

A/C No: 7654321

いつ【Settlement/Value Date】:

March 1st, 2022

誰と【Counter Party】:

Nomura Trust and Banking, Headquarter(Branch)

A/C No: 1234567 Bank of America (Nominees A/C)

(Nomura Securities, London)

いくら【Quantities】:

USD1,000,000-

(Buy Toyota Motor 100,000 shares JPY213,556,000-)

どうするのか【Delivery/Receive】:

Wire Transfer to Nomura Trust and Banking

(Receive Against Payment to Nomura, London)

 

上記のような情報“だけ(●●)”が交錯しているのがSWIFTなのだが、この「決済情報」が一切遮断され、隔絶されると送金する/着金する外国の送受金する金融機関は「信頼できる情報源」からの指図がなくなるので一切の決済業務を拒否せざるを得なくなる(虚偽の決済指図を履行すると、善管注意義務違反となり得るので損害賠償/損失補填義務を負う危険性が生じる)

故に、ファクシミリやTelex、電話での決済指図は一見有効に利用できると思われるが、これらの通信手段では「確実に送信者の身分を特定できない」リスクがあるため、金融機関はSWIFT以外の通信手段を絶対に容認しないことで自身が負うリスク 危険を回避している。

その上に、「二者間の決め事」として有資格者であるかを見極めるために、ある「鍵」を付して情報の送信を行う習慣を残している金融機関も存在している(この“ある「鍵」を付して情報の送信を行う習慣”を利用した暗号化技術の確立を現在試行錯誤中だ)

 

ロシアの金融機関に置き換え考察すると、ロシアの金融機関から金員を受け取ることも逆に払い出すこともできなくなり、ロシアから物を国外に販売し国際貿易の対価としての金員を受領するためにはロシアを出国し、事前に作っておいた海外金融機関口座から引き出し、持ち帰るしか方法はなくなる(諸外国の外国為替管理法上の制限/制約は考察対象外)

しかし、国外の金融機関で受領できる外貨(本考察ではロシアルーブル)には物理的限度(当該国で印刷発行しているわけではないので物理的に手元に所有する数量が上限となる)があり、常に全額ロシアルーブルに両替できるわけではない。

また、外貨(引き出した国の現地通貨)をロシア国内に持ち帰ったとしても両替する金融機関は受領した外貨の処分(他国通貨交換)ができない。

結局のところ、「SWIFTからの排除」「SWIFTの利用資格停止」はロシア経済を完全孤立させる効果があり、幾ら鉱物資源が豊富であってもその国外販売が不可能となる。

無論、ロシアに友好的な態度を見せているベラルーシや中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国がロシアに成り代わり、決済機会を代理(代理決済)するというのであれば完全に不可能ではなくなるが、万が一中国と北朝鮮がこのような行為を行った途端に同国に対しても「SWIFTからの排除」「SWIFTの利用資格停止」という制裁が実行され、両国もまた経済活動全てが停止する羽目に遭うだけだろう。

もう一つ「SWIFTからの排除」「SWIFTの利用資格停止」という制裁から逃れる手段として物理的に国外でマニュアル 手作業で決済を実行する(現ナマ手渡しか国外口座でのロシアルーブル以外の他通貨決済)ことも不可能ではないが、決済した金員を現金で毎回ロシアに運搬することを考えると現実性に欠けると言えよう(簡単に強奪対象となる)

 

また、「物が売れない」だけではなく「物が買えない」側面もあり、ロシア国内で100%生産、製造される物品以外の物流が止まることを意味しており、ロシア国民の日常生活維持や病傷人の手術や手当、食生活に大きな支障を来す結果となる。

 

 

さて、ここまではSWIFTについて解説をしてきたが、ついでというわけではないがもう少し「為替」の仕組みについて解説を加えてみようと思う。

 

下記の2図は前掲載図の中からロシア国内での金員移動の部分だけに絞ったものだ。

特に3つ目の図については日本国内の「送金」「振り込み」、これを「為替」と呼び内国為替というのだが、拙ブログをご高覧いただいている読者諸兄姉が振込票/用紙やATM、ネットバンキングでの振り込み、払い込み等々で第三者に金員を送る際の動きだとご理解いただければと思う。

日本独自の全銀協ネットワーク(全銀ネット)、日本銀行ネットワークについてもこの項の後半で解説を付しておく。

 

 

SWIFTを介してA銀行より「払い出しの指図」を受領した金融機関 Xはその指図に基づき、指定された決済日(Value Date)に、指定された口座より、指定された金額を、指定された金融機関 Zにある口座に、払い出し移動させる。

国外送金では実際に現金を他口座に入金するという物理的移動行為は一切行わず、各銀行や証券会社等金融機関自身が国外の金融機関に開設した口座から払い出したり受け取ったりした「データ/情報」を基に、各顧客口座に数値の増減を反映させている。

因って、同一銀行内の「為替」に充て填めて考えていただくと理解が早いかと思うが、金員が物理的に移動することは生じないのと同様の「(数値データの)移動」だとご理解いただければと思う。

これは金融機関間決済でも同一で、各金融機関が日本銀行に開設している口座間の数値の付け替えで「資金移動」=「決済送金」として扱い、現物の移動など発生させる必要がない(下記図を参照)

 

国際社会はロシア中央銀行による抜け道も閉鎖させると明言したそうだ。

一般的に各国の中央銀行は他国中央銀行に口座を開設している。

第2段落後半で既述した通り、ベラルーシ、中国、北朝鮮等が自国中央銀行を介して外貨決済を代理することは不可能ではないが、代理決済を実行した途端に当該国の「SWIFTからの排除」「SWIFTの利用資格停止」という制裁が実行されるだけであろう。

 

次回に続く