ジャムおじさん 『・・・・私が悪いんだよ、試作品を不用意に置いておいたから・・・』
バタ子 『違う!!あたしが!!あたしが!!』
バタ子、大声を上げまた泣きはじめる。
カバオ、まだチーズが放してくれない。
食パンマン 『いいや違うね!後々わかったんだ、今回の事件は全部仕組まれたコトだってね!』
一同、信じられないといった顔で食パンマンを見つめる。
食パンマン 『あの日確かにバタ子さんはこしあんの顔を持ち出した、ジャムおじさんが試作品を作っているのを知っていたから何度も確認してね、そうだろ?』
バタ子、涙目で何度もうなずく。
食パンマン 『ジャムおじさんだってそうさ、間違えないようにちゃんとつぶあんとこしあんを違う棚に並べ札まで貼っていたんだ、間違いなんて何もなかった』
ジャムおじさん 『じゃあなんでこんな・・・・誰が・・・・』
ジャムおじさん、理解できないと言った表情で立ったり座ったりを繰り返す。
食パンマン 『一人忘れていないかい?工場に出入りが可能で動機がありアリバイもないヤツを』
ざわつく工場内。
静まるのを待たずに食パンマンが再び話し始めた。
食パンマン 『我が強い彼は自分より人気者のアンパンマンがずっと気に食わなかったらしく以前酒の席でよくグチをこぼしていたよ・・・そしてあの事件の前から姿を見なくなった。あいつを疑わない方がおかしいよ』
食パンマン、ニヤリと笑い一息をつく。
一同各々考えている様子。
チーズついに食いちぎる。
はっと閃いた様子のバタ子。
バタ子 『も・・・・もしかして犯人は!!』
バタ子の視線の先にはもう動かなくなっているカバオが。
ジャムおじさん 『バカ言うんじゃないよ!カバオ君がそんなコトするわけないじゃないか!!』
バタ子 『だって不自然じゃない!?学校だって毎年皆勤賞のカバオ君が急に学校を休んで家族旅行だなんて!今まで一度だってなかったじゃない!?』
ジャムおじさん 『カバオ君はバカだから病気にならなかっただけで学校を休む理由がなかっただけだよ!ちゃんとお土産だって買ってきてくれたし家族で写った写真だってあるんだ!アリバイは完璧じゃないか!!』
バタ子 『だって!でも!!だって!!』
二人の言い争いを断ち切るように食パンマンが話し始める。
食パンマン 『残念だけどバタ子さん、カバオは犯人じゃないよ』
食パンマン、動かなくなったカバオを蹴っ飛ばす。
カバオ、ツーバウンド、こいつ超ウケる。
食パンマン 『ボクもはじめはこいつを疑ったさ、こいつが犯人ならどんなにいいだろうと願ったりもしたよ。でもこいつのアリバイは完璧だった・・・・これをごらんよ』
食パンマン、一枚のカルテを出す。
一同外国語のカルテが読めずに首をかしげる。
食パンマン 『ジャムおじさん、カバオのお土産はどこのものだった?』
ジャムおじさん 『モロッコだけど・・・』
食パンマン 『そう、このカルテはモロッコの病院のものさ、カバオはあの日確かにモロッコにいた。ずっと悩んでいた手術を受けにね』
ジャムおじさん、何かひっかかっているように上を見つめ考えこんでいる。
ジャムおじさん 『・・・・モッロコ?・・・・手術?まさか・・・・噂は・・・』
食パンマン 『そうさ、噂のとおりさ。カバオは性同一性症害だった。そして今回性転換の為モロッコへ飛んだのさ。平日に10日の旅行って不自然だろ?それは手術と治療にかかったからさ、それでもだいぶ駆け足だったみたいだけど』
一同、絶句。
沈黙。
沈黙。
沈黙。
チン・モック(広東出身)
沈黙をやぶりバタ子がおそるおそる口を開く。
バタ子 『じゃあ、犯人は・・・・?』
食パンマンが勝ち誇ったようにその名前を告げようとするとどこからともなくカレーの匂いが漂ってきた。
食パンマン 『ほら、真犯人のお出ましだよ』
一同、近づいてくる足跡とカレーの匂いに固唾を呑みドアを見つめる。
入ってきたのは・・・・・・・。
続く。