8月に読んだ本まとめ&近況報告 | oliveのドラマ帳~風に吹かれて~

oliveのドラマ帳~風に吹かれて~

朝ドラ「スカーレット」から、連続ドラマの感想を、
ひと味加えて、自分味に料理します。
ゆるりとご試食くださいませ♪

8月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3688
ナイス数:823


こんぱるいろ、彼方こんぱるいろ、彼方感想
ボートピープルとしてベトナムからやってきた母娘三世代物語。それぞれの目線で描かれるのだけど、祖母世代の苦悩を多く描かず、ベトナム時代の青春物語を回想させることで三世代の故郷(アイデンティティ)はなんぞやを思う。戦争とは何か?アイデンティティとはなにか?違う目線で考えることができる一冊でした。 こんぱる色の海を感じることができる書影も素敵でした。
読了日:08月30日 著者:
椰月 美智子
ダブル (双葉文庫)ダブル (双葉文庫)感想
事件を追う女記者と事件現場の近くに潜む追われる女を中心とした心理戦に心がザワザワしハラハラドキドキが止まらない。自己中な行き過ぎた友達親子の話で終わらない本書。人の面はひとつではない。女が不快と思ってた人たちにも違う面もある。ダブルの真実を知ったあなた!ご安全にーーー!
読了日:08月29日 著者:
永井するみ
異邦人 (新潮文庫)異邦人 (新潮文庫)感想
不条理の哲学とよばれる本書。ママンの最期の顔を見ず、涙も流さず、喪に服さずに女と遊び、太陽がまぶしかったからと人を殺し、神を信じず・・・おいおい!!空気読もうぜ!という前にサイコパスなのか?それとも自分に正直なだけなのか? 無宗教の私からみえれば神を信じない男に弁護士や検事、司祭たちが、そんなに頭ごなしに否定しなくても・・・とも思えてねぇ~真実なんてどうでもいい!勝つことが正義な古美門弁護士(堺雅人「リーガルハイ」)を呼んでこようかーーー!とも思っちゃたりねぇ~えっ?そんな小説じゃない(;''∀'')
読了日:08月23日
著者:カミュ
あやうく一生懸命生きるところだったあやうく一生懸命生きるところだった感想
頑張ればなんとかなる!と暗示をかけていた昭和時代とは対極な令和時代にふさわしい頑張らなくてもいいよと教えてくれる一冊。隣のお兄ちゃんが話してくれているような友達感覚でわかりやすく親しみやすい文章も人気なんでしょうね。本書の中で印象に残っているのは、日本の作品が多く引用されているのに驚いたのだが・・・それって私だけ?
読了日:08月22日 著者:
ハ・ワン
トーマの心臓 (1) (小学館文庫)トーマの心臓 (1) (小学館文庫)感想
長年にわたり蓄積した澱んだ心の毒を浄化させてくれるような繊細な透明感が美しく心震える・・・ってな陳腐な言い回しは、森尾先生のプライドが許さんのである、そう!この世界観が!分かる奴は、分かればいいと思える美しく機敏な物語でした。もっと早く読めばよかった賞です(;^ω^)
読了日:08月22日 著者:
萩尾 望都
読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)読書する人だけがたどり着ける場所 (SB新書)感想
ネットもいいけど本はもっといいよ。ネットはキーワードを追うだけになってしまいがちだけど、本はじっくりと向かい合うことができる。読書は「体験」なのです。と、斎藤さん。また、読書は「自己を形成し、人生を豊かにするのに欠かせない」ものでもあると。本を通じて他者の人生を追体験することで想像力を養い、他人の気持ちを理解し認め、受け入れることで、自分自身が成長するし、人生も豊かになる。うんうん、あるある意見でごもっともしかない一冊でした(;^ω^)
読了日:08月16日 著者:
齋藤 孝
読書の価値 (NHK出版新書 547)読書の価値 (NHK出版新書 547)感想
読んだ本の紹介でもなく、読書するとこんな良いコトがあるよでもなく、読書の楽しみ方を教えてくれるわけでもありません。本はすすめられて読むものではない。本は自分で選べ!ときっぱりハッキリとド直球で、巷で騒がれている読書感想文是非についての独自の考えも興味深い一冊でした。
読了日:08月16日 著者:
森 博嗣
【第163回 芥川賞受賞作】首里の馬【第163回 芥川賞受賞作】首里の馬感想
一番大切なことは目に見ないはずなのに人は、目に見えないこと、わかりづらいことに対して人は不信感を抱き気持ち悪いものとみなす。まわりから見れば不思議すぎて気味が悪い仕事も資料整理だが本当に必要じゃないのか?忘れてもいいのか?天然記念物の宮古馬(ナークー)に出会ったことで変わっていく女。コロナ渦から見る変わらないものはないと知った私たちに女の考えが間違ってるとは思えませんでした。
読了日:08月13日 著者:
高山 羽根子
【第163回 芥川賞受賞作】破局【第163回 芥川賞受賞作】破局感想
あの人があんな大それたことをする人だとは思わなかった。事が起こるたびによく耳にする言葉です。そして事後は、やっぱりあの人って気味が悪かったね・・・と変わる。まわりから見るとパーフェクトくんに見える男が、人の道を外すなどと本人も近しい人も思っていないはずだったのに女によってルーティンが狂い破局へと・・・最後は破滅と思われるような出来事が待っているのだけど、この男なら破局からの復活もありなんじゃないかと思える掴みどころのなさで余韻を残し読み手の私にいつまでも不穏さを纏わりつかせるズルさに参った参った。
読了日:08月13日 著者:
遠野遥
美人薄命美人薄命感想
キャラ立ちした人たちが紡ぐミステリーという名の純愛小説。チョイ役でもあの人誰だっけ?とならない。どんなに小さな役でも印象を残し物語を面白くさせ物語の鍵となるアナグラムもいい仕事してる。だが本当の鍵は「嘘」そして読了後にタイトルさえ嘘だったと気づくのよね。嘘が本当でもあり心優しくなる物語にラブ&ピース。
読了日:08月09日 著者:
深水 黎一郎
これでもいいのだ (単行本)これでもいいのだ (単行本)感想
ハーゲンダッツイッキ食いではなく、箱アイス一日一本食いのようなちょことずつ読むのが楽しくなる一冊でした。ジェーンスーさんと同世代の中年女なので同感することも多し、だけどうむ?うむむ??ってなところもあった。そう!私とジェーンさん違って当たり前なのよね。違う考えがあるからこそ、どちらも違っていないと納得よ。だって、これでもいいのだと思えるようになってきたお年頃だし、多様な考えがあるからエッセイって面白いのよね。それを教えてくれたのが本書でした。
読了日:08月08日 著者:
ジェーン・スー
歯車歯車感想
村上春樹 「一人称単数」の中に登場したので読んでみる。 半透明な歯車による絶望感が読み手に私にも伝わる苦しさだが、本当のところ、人の苦しみをどれだけ理解できるのか?とも思えてね・・・本書が登場する村上氏の短編の中に、とくに悩んだり、落ち込でいたり、そういう素振りも見えなかった女性が自殺するのです。なんかね・・・ひとりの俳優の死が頭にどうしても浮かんでしまったり・・・でした。
読了日:08月08日 著者:
芥川 竜之介
一人称単数一人称単数感想
エッセイだろうか、私小説かもしれない。ハルキの話をしよう!ってな感じで、冒頭からハルキリズムに誘われ、やれやれまた沼にハマっちゃうよーー!本書は八編からなる短編集で、短歌あり詩あり、エッセイなのか?私小説なのか?と想像するのも楽しい一冊でした。本書の中で一番好きだったのが「謝肉祭」で、ハルキ流ブス論に感服。シューマンの謝肉祭が聴きたくなりYouTubeへGo!うん、わかんねぇー!(;^ω^)「石まくら」に登場する短歌もすごく好き♡あなたと/わたしって遠いの/でしたっけ?木星乗り継ぎ/でよかったかしら?
読了日:08月02日 著者:
村上 春樹
まだ温かい鍋を抱いておやすみまだ温かい鍋を抱いておやすみ感想
タイトルの温かい鍋や、食にまつわる物語から想像すると、優しい湯気が立ち上る優しい話だと思いがちだが、これこそが先入観ってやつなんですよね。 家族に自分自身に疑問を抱く人々に自分を重ねて咀嚼する。 ほっこり微睡む結末ではなく不穏を抱きつつ前に進む物語に、生きることは食べることで、食べることは殺すことを思う。食わずには生きてこれなかった日々を。
読了日:08月01日 著者:
彩瀬まる
ここは、おしまいの地 (講談社文庫)ここは、おしまいの地 (講談社文庫)感想
笑いながら怒る人。自己肯定力が低く、肝心な一言は言えない。言えないからこそ書くことで伝えようとする。肯定と否定の感情が、まさに笑いながら怒れる人なのではないだろうか?また、本書の魅力はの一つは笑いだ。外で読むのが危険なほどにね。本当は難しいと思われる苦しいこと辛いこと嫌なことを軽快に笑いに変えるこだまさんは凄しだわ。
読了日:08月01日 著者:
こだま

読書メーター

 

赤薔薇ピンク薔薇クローバー赤薔薇ピンク薔薇クローバー赤薔薇ピンク薔薇クローバー

 

8月は夏休みもあったので15冊読めました。

 

コロナの影響で連ドラ放送が延期になったこともあり、ドラマ欲が薄くなり・・・最近は面白くないなぁ~見なくてもいいかな・・・とあせる

ようするに!ドラマ離れしつつあります。

 

かといってガッツリ本を読むという生活でもない。

ガッツリ本を読むのは週末ぐらいで、平日は寝る前にちょこっと読みしてます。

 

ちょこっと読みに適しているのが巨匠たちの作品。

青空文庫にお世話になっております。

芥川龍之介を手始めにーーー!

 

「蜘蛛の糸」と「トロッコ」や「鼻」「杜子春」は教科書などなどで触れたのかな?程度。

 

「藪の中」を改めて読むと湊かなえじゃーーん!

今更だけど・・・で恥ずかしいのですけど・・・笑い泣き

そりゃ黒澤明監督も興味を持つわな。

 

そしてそして!「蜜柑」がよかった。

情景が目に浮かぶとはこのことではないかと思えたほど、

陰から陽へと色彩を持ってくる上手さ。

蜜柑色の情景が最後にしっかり胸に残るのですよ。

 

倦怠感と疲労感で憂鬱な気持ちで汽車に乗る男の目に留まったのは、奉公先へと向かう薄汚れた少女。

その少女がおもむろに窓を開けはじめ・・・

何やってんだよ!トンネルにさしかかるのに窓なんて開けたら黒煙が入ってくるじゃないか!心の中で憤る男でしたが・・・

トンネルを抜けると、汽車に向かって手を振る少年たちの上に少女が蜜柑を落とす。その光景を目にし男の憂鬱な気持ちが晴れるのですよ。

本作では、男と共に体験できる優しさと色彩に感動しつつ眠りにつきました。

 

いいね、青空文庫。

他の巨匠たちの作品もちょこっと読みしていきたいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

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