長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、
人気作家の津村啓。
悲しさを“演じる”ことしかできなかった津村は、
同じ事故で母親を失った一家と出会い、
はじめて夏子と向き合い始めるが…。
突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。
人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語。
(BOOKデーターベースより)
- 永い言い訳/文藝春秋
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いい訳でもなく本気で!153回直木賞をとってもらいた!
(olive流帯タイトル)
西川美和さんといえば、
映画監督さんのイメージが強い。
「ゆれる」とか、「ディアドクター」等々・・・
映画も面白いけど、小説も面白い!!
とにかく面白かった。
136回直木賞候補の作品でもあります。
他の候補作品は、
馳星周 『アンタッチャブル』
柚木麻子 『ナイルパーチンの女子会』
澤田瞳子 『若沖』
東山彰良 『流』
門井慶喜 『東京帝大叡古教授』
『永い言い訳』以外は、まだ未読だが、
馳さんは大御所さんやし、柚木さんは人気者やし、
強敵多しだな。
(読書メーターで感想を述べた部分)
妻を亡くした自己愛の強い男が
他者と関わることではじめ亡き妻と向かい合う。
他者である同じ事故で妻を亡くした家族との交流による
再生物語だけに終わらない。
すでに映像化浮かぶ文章はさすが映画監督さん。
他者との交流が煩わしい時もあるが、
それがなければ人生なんぞはつまらないんだよね。
ダメな男だね~可愛いところあるじゃん!
やっぱりこりゃダメだ。だけど最後は泣ける。
妻を亡くした男二人がとにかく最後は愛おしい♪
他者の無いところに人生なんて存在しない。
この言葉が胸に、特大の大砲を撃たれた感。
夫しても人間としてもクズだった男が、
事故で同じように妻を亡くした家族との交流で、
他者への思いやりを知るのだが、
一方で嫉妬も知ってしまうのだ。
人と関わらなければ知ることのできない感情は、
常に明の裏側は暗なのだよね。
喜び悲しみ、達成感や物足りなさ、笑顔や涙・・・
些細な幸せを忘れたくなくて、亡き妻からの
何気ない日常メールを消せない男。
亡き妻からの衝撃メールを消せない男。
物語に登場する男たちも、子供たちも、
みんな言い訳しながら生きている。
自分を守るために。
だけど最後に、「あの人」の大切を知る男。
「あの人」が誰かにとっても必要だ。
生きて行くために想うことの出来る存在。
「あの人」を、早々に見つけることが出来る人もいれば、
永い年月がかかる人もいるし、
見つけることができない人も・・・きっといるだろう。
自分の中でいろんな想いが葛藤したお話もありました。
きっと映画化されるでしょう。
主人公のクズ作家役は、永瀬正敏さんをイメージして
読んでおり、そして・・・クズ作家さんが交流する
家族の父でトラック運転手は萩原聖人さんを
イメージして読んでおりました。
あたしの頭の中の配役でどうでっしゃろ?
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