朝いつも起きる時間と同じくらいに起きる。前年度は電車のトラブルなどを想定して、かなり余裕を持って家を出たが、今回は朝一番の試験のせいか、ギリギリではないが、指定された時間に間に合うように支度をする。

目の周りの青あざも薄くなり、同系色のアイシャドーでごまかしたらわからなくなった。今日着ていくワンピースとの相性もバッチリだ。

痩せたこととワンピースの色から体が引き締まって見える。この色は自分にとってラッキーカラーだと星占いに書いてあったのをずっと前に読んで覚えていた。

ロングヘアーは黒のバナナクリップでまとめるつもりだ。そのままクリップを留めて、髪の毛がパラパラと落ちてきたら見苦しい。なので、一旦ゴムで髪をくくってからバナナクリップで留めようとすると、ポキッとバナナクリップが壊れてしまった。受験日の朝に壊れるとは縁起でもない。何か暗示しているんかな。イヤ、これで厄を落としたと思えば良い。ただ、どうしよう………。ゴムを外してバナナクリップで留めようとするが使えない。バナナクリップは一つしかない。前年度語呂合わせの縁起担ぎで使った髪留めは縁起がないので、使うのをやめる。他に適当な髪留めはないか、、、探すと見つけた。近所のエスニックレストランで見つけたバリ産のゴム付き髪留め。茶色い葉っぱの飾りがシックだ。

従姉妹のRちゃんのお葬式の式次第を鞄に入れる。表紙にはRちゃんの満面の笑みが写っている。

いつも願い事を叶えて下さる近所のお地蔵さんのところに行き、「どうか今日一日、力を出し切れますように」とお願いする。

スマホも持参するが、最初の時間帯とあり、試験の情報は入ってこないから電源を切る。

前日、メルマガで送ってくれた、H通訳案内士養成スクールのU先生やミカン(仮名)の事務の方による当日の心構えを反芻する。両方ともすごく参考になった。T道場の高僧先生も試験日間近にメルマガを送って下さった。が、心の余裕がなくて、いずれもお礼の返信を送ることができなかった。

外は晴れ。去年より1週間ほど早い日取りだが去年同様暖かい。

これが最後のチャンス。今日は面接ではない。私は通訳案内士。審査官は大切なお客様だ。笑顔とホスピタリティで日本を好きになって、日本に興味を持ってもらえるよう、今まで学んだことを思い切り伝えよう。