レーザーを当てるのにQ大学附属病院(仮名)疼痛科まで通院し続けるのはしんどく、疲れから膀胱炎にもかかったので、大学病院に紹介状を書いてもらい、近所の病院に転院する。近所の病院で症状を伝え、「このまま症状が固定したり、さらに悪化したらどうしようと考えると心配で心配で」と訴えると、「悪い方向に考えると本当にそうなってしまいますよ」と言われたので、「良い方向に考えても悪いことは起こるし、逆もしかり。精神論じゃないんですよ」と反論する。
医師のできることに限界があるのは知っている。だが、こんな友達や親が言うクラスの精神論を医師に持ち出して欲しくないのだ。こういう話を医師からされると、煙に巻かれているような気分になる。
ただ、同類の精神論は当てはまることもある。H通訳案内士養成スクールのU先生の写真を待ち受け画面にして試験に臨むと上手くいったという話をチラホラ聞いた。私自身そのような効果を信じている。
舌神経損傷の経緯を綴った女性のブログに患者たちの情報交換のページがあり、そこで X大学附属病院の近くの放射線科クリニックにて下顎管がやや鮮明に映るMRIがあると知り、検査を受ける。より鮮明に画像診断するため、薬剤投与が必要だが、希に起こる後遺症を恐れて、薬剤投与は拒否。そのため、鮮度は落ちると言われたが、検査して貰う。
後日受け取った所見には「下歯槽神経管はIntact(無傷)。右下顎埋没智歯あり。下歯槽神経管はこれにより頭内側からごくわずかに圧排されているようです」と記載されていた。
私のこの症状は一体どこから出ているのだろうか。インターネットで論文を探すと、いくつか納得いく説明を見つけた。そこでわかったことは、オトガイ神経の末梢神経はとても脆弱で、少しでも傷つけただけで症状が出てしまう。そして、この細い神経はMRIに写らないのだった。
あんなに勉強漬けの日々を過ごしていたのに、通訳案内士口述対策はまったく進まない。覚えようとしても覚えられないし、覚えたことも出てこない。スラスラ書けていた手紙や文章もまとまりのない文面になってしまっていた。冷蔵庫の中に食材を置き忘れていて、ダメにしてしまうこともあったし、何を食べても美味しいと感じなくなっていたので、大好きな料理もまずいものしか作れなくなってしまった。頭が回らなくて、鈍くさいミスを繰り返すようになった。罹災のショックと恐怖から眠ってばかりいた。起きるとウツウツした気分が続き、とにかく眠りにつきたかった。