幼き頃の懐かしい盆踊り。

実家の横の石段を登れば、小さなお寺がある。

そこでお盆になると毎年開かれた盆踊り。

昼間にやぐらが組まれ、ちょうちんがぶら下がる。

薄暗くなった頃、地元の人達がゆかた姿で次々と石段を登って行く。

暗くなる頃には、子供や大人の男女が大勢集まってざわめく。

都会から帰郷した人達も集う。


やがて、老人の古くから伝わる歌に合わせてみんなが輪になって踊り出す。

私もお盆には きまって夕食のそうめんを食べたら、母に着せてもらってゆかた姿に。

お盆は何と行ってもゆかたが着られるのが一番嬉しかった。

大きくなる度に買い替えてもらったゆかたで一番印象深いのは、ゆかたにしては斬新な大きめの水玉のカラフルな柄。

最後に柔らかい絹のピンクの帯を結んでもらって心はうきうき。

真新しい赤い鼻緒のついた下駄をカラカラならし、石段を登る。


ちょっと はにかみながら皆の輪に入り、見よう見まねで踊った。


あの老人が歌った盆踊りの唄は、今も所々メロディや歌詞を覚えている。

声量もあってすごく上手だったので、できるならもう一度聴いてみたい。



今年は父の初盆です。お盆にはあの世からこの世に帰って来るのかな?

まずは母のそばに行って、私達兄弟にも会いに来てくれるのかな?

そして、実家へ帰ってあの唄を聴くのかな?

父のことだから、生前のように、熊野川の川原に行って好みの石や流木などを捜すのかもしれない。

お盆は、父の好物だったおまんじゅうを買ってお参りに行きます。