都立駄菓子菓子高校1年Z組日誌より抜粋
その様子を銀杏の木の上から見ていたイイ・チコは、己の顔の横に刺さったシャーペンを抜き取り、
「あ、コレまだ使えますネ。リサイクルデス。」
そう呟き胸ポケットにしまう。
「黒斬に花依…日本にキタかいがありマシタ」
さっきまでのニコニコ顔から一変し、獲物を見つけた野獣が狂喜したような、野卑た表情になった。
ぺろり、と舌なめずりをしたその瞳の奥はどす黒く濁っている。
「黒斬、花依、あと時雨…お前らのその能力の奥の奥まで暴いて
この俺様のための供物として屠ってやるゼェエエ!!
ああぁぁ楽しみデスゥゥ」
「おい、チコ!!うるせえぞ!つかなんでそんなトコに居るんだよ!!
銀杏の季節はもう少し先だぜ!!」
いつの まにか彼の独り言は絶叫に変わっており、Z組のクラス中の
注目を集めていた。どうも彼の奇人変人ぶりはクラスに「帰国子女だから色々大変なんだろ」
という理由から受け入れられており、さっきのような突飛な雄たけびも「いつものこと」
として処理された。
「アア、そうでしたネ。銀杏は秋の食べ物でしたネ!!
まだまだ日本の四季にはウトイデス!テヘッ」
そう言って、木の上から飛び降りた。
そして見事に着地に失敗して失神し、医務室行きとなった。
彼は、別に運動神経が優れているわけではない。
ただ単に、爆発に滅茶苦茶にビビリ、火事場の馬鹿力に近いパワーで
木に登り、そして偶々黒斬と遭遇しただけであったのだ。
黒斬と話せたのは、狙ってのことではなく偶々の事であり、実際シャーペンを
投げられたときはビビって木から落ちそうになったのは、チコのみの秘密である。
黒斬とイイ・チコの関係とはーそして団子はそこにどう絡んでいるのか!
続く!!!
★解説★
エピローグが長い。もうエピローグじゃないんじゃないこれ