都立駄菓子菓子高校一年Z組日誌より抜粋 | ★ONSEN★の徒然!!サブカルチャー中毒!ブログ★

都立駄菓子菓子高校一年Z組日誌より抜粋

始末に負えない。

団子にペロペロと額の傷をされるがままに舐めさせていたが、はっと我に帰り団子をガバッと引き剥がし、
「医務室には一人でいくから」
そう言って痛む足を引きずりながら校舎に向かった。
否、向かおうとした。
「待ちなさいよ。あんたあたしの手当てが受けられないの?」
団子の白くて柔らかい小さな手が、金時のジャージの裾を掴む。

「…いや、そういうわけでは…」

ゴクリと、金時は生唾を飲み込んだ。そりゃガキんときはお互い文字通り傷の舐めあいをした仲だ。
しかしもう16才。校舎の中庭でペロペロされるなんて…うん、悪い気はしないが後の学校生活が色々と危ぶまれる。俺は平凡な生活を心のそこから望んでいるんだ。
ペロペロも悪くないが…いや…って何不純な思考を巡らせてるんだ俺は!!
今なら幸い校庭には大穴がある。もうその穴に頭から突っ込みたいへど、穴があったら入りたい気分になった。

「それに」

おれがそんな不埒な思考と必死に戦っていると団子の声が聞こえた。

「この事態を収集するためにはあんたの素晴らしい土下座の威力が必要なのよ。もちろん報酬は弾むわ!!
あんたの神をも恐れぬ詐欺まがいの言い訳テクに絶妙な土下座テク、そしてお金を心から欲している事、私は知ってるんだから…逃がさないわよ」

そう一気に言い終わると、この上なく嬉しそうに唇を釣り上げにんまりと笑うと、団子は再び傷口をペロペロし始めた。

ああ、あの大爆発で忘れていた。俺と団子は幼なじみの腐れ縁で、雇い主と雇われの身の関係で、
俺は言い訳と土下座のスペシャリストで、
そして、一応、団子とは、俗に言う恋人同士という関係だったんだ。

まぁ、生身のコイツに会うのは一週間ぶりだし、今は好きにさせておいてやろう。

今憂慮すべきはこの事態を土下座のみで収集がつけられるか、その一点に絞られた。まぁ、報酬の額がいつも通りなら余裕だが。

金時は空を仰いだ。
空は蒼く、正に、体育祭日和だった。



★解説★
とりあえず体育祭編は終わり!エピローグがあるかな?

金時の土下座テクニックとは、金を欲する理由とは、雇われの身とは…。
あんまり伏線らしくない伏線がありますが、ゆるーく回収していきます