とある総理の遊戯
私は、総理になった。
そして日本を軍事国家にしてやった。
そして今日、世界を、核を用いてひっくり返してやった。
昔の自分は、鬱々と今の現状に不平不満を抱き、空虚な毎日を淡々と送っていた。
未来に対してはなんの希望もなく、暗澹たる気持ちを常に抱えていた。
私に何があろうとも。世界は回る。
その事実に、私は深い憤りと悲しみを感じていた。おそらく、世界中のどの人間よりも。
つまるところ、自分という人間の存在意義の小ささに、失望し絶望していたのだ。
ある日突然訪れた内閣総辞職。
醜い選挙合戦の勃発。
なんとなく。ただなんとなく、私は××党から立候補した。
選挙は××党の大勝。
私は政治経験は皆無だが、元から弁論が得意だったこと、
人に程よく媚び入る技術に長けていたこと、
そして偶々自らの容姿が他の者より幾分優れていたことにより、
政界からも世間からも「政界期待のホープ」として
大いに注目を浴び、将来を嘱望された。
それから数年。
歴代最年少の若さで、私は内閣総理大臣に任命された。
黒い手を使って殆どの派閥を抱き込む事に成功していた。
「生まれついての策士」だと、老いた議員から言われた。
私は憲法第九条ならびそれに準ずる法律を全て変えた。
自衛隊は軍隊となった。
そして、今日、独自に開発した長広範囲索敵システムを発動させ、
国連加盟国すべてに核弾頭ミサイルを発射した。
そう、これでやっと。
私がいないと世界が回らなくなった。
全ては子供じみた一つの考えから生まれた、
この上なく自愛的な、とある人間の箱庭での
遊戯の結末。
★解説★
自分の存在理由、自分の価値に固執したらこんな人間になりました~みたいな話を書いてみたかった笑)
これは昔小泉チルドレンたちが誕生した位に書いた物。なんか今の民○党とかぶってますねー。
今みてもかなり稚拙な文章ですね、ぶふふ。