3月14日 木曜日

 

 風の冷たい春。しかし、セーターはもう恥ずかしい。冬コートも恥ずかしい。しかし、夜は寒いし……まだ油断ならないので、冬ものが仕舞えない。しかし、片づけなければならない。

 

 魔の山。ハンスが恋した夫人は、クリスマスのイベントの夜だかに、ハンスと結ばれたのであった。そういう描写に気付かなかった!さすが文学である。

 

 しかし、夫人は、ハンスによそよそしく、しばらくして、旅に出てしまった。ヨーロッパの各地のサナトリウムを旅するらしい。

 

 芸術家も、山を下りた近くの町の下宿屋で暮らし始めた。その町は、サナトリウムから散歩に行ける距離で、それほど空気が悪くない。

 

 ハンスの従兄も、帰る宣言をした。彼は、この、結果が出ない治療にもう耐えられなくなったのだった。検査数値が一進一退なのである。医者は、数値がいいときは、あと3か月後に様子を見て、下がってたら、退院ですが、上がってたらまた3か月療養ですと言ってるだけだ。

 

 従兄と同じ数値の患者でも、下山して治った人とかいるので、従兄は、医者の忠告(命令ではないのだった)を無視し、ついに、山を下りてしまった。そして、念願の軍隊(まだ第一次世界大戦前の時代で、戦争中ではない)に入り、ハンスに届く手紙では、少尉になったとブイブイであった。

 

 ハンスは、微熱が下がらず、のんびり入院していた。夫人は、医者とも関係していたらしい。夫がいるのだが。そういう人なのね。いやー、なかなかリアルである。作者のトーマス・マンは、奥さんがサナトリウムに入ってたとき、見舞に行って、自分も少しそこにいたらしい。

 

 他の作品に、ベニスに死すがある。えー、その作者さんだったのか。ふーん。

 

 という、日々の中で、精神論もたっぷり書かれている。これはまあ、ほとんど飛ばしてます。ドイツ人だから、ショーペンハウエルのようにわかりやすいとは思うけど。

 

 あ、サナトリウムの患者たちは、ヨーロッパとロシアと、いろんな人たちがいて、ハンス(ドイツ人)が恋したのは、ロシアの夫人ね。何か国語もしゃべれるらしい。二人の共通語はフランス語だった。ハンスが医者に、夫人から手紙が来ないと言うと、しゃべれても書けないからだよと言われた。で、書けるロシア語で手紙もらっても、ハンスは読めないだろうと。なるほど。これもなかなかリアルでおもしろい。