かつて、これだけ生命に満ち満ちた海はあっただろうか・・・。


白亜紀(1億4400万年前~6500万年前)


陸上では恐竜が闊歩し、その多様性がピークに達していた。
白亜紀の地形は大陸が細かく分散化され
それぞれの陸地で独自の進化をした結果、多様性を促した結果にほかならない。

大陸が分散化されたことは海の生態系にも
大きな影響を与えた。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ペルム紀と白亜紀の海岸線


大陸の分散化は世界の海岸線の増加を意味する。
すべての大陸が合わさり、超大陸パンゲアを形成した
ペルム紀の海岸線の長さを比べると一目瞭然である!
また白亜紀には赤道に「大赤道海流」という大規模な暖流が流れ
世界じゅうがかなりの温暖な海だったようだ。
これは海進を促し、現在よりも数百mも海面が高かったといわれている。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-白亜紀の北米とオーストラリア

北アメリカ大陸では海が進入し、東西に分断されて
真ん中に白亜紀海路が走る。
そしてオーストラリアの内陸でも白亜紀に内海が存在しており
「エロマンガ海」とよばれている。
またヨーロッパもほとんど水没してしまい多島海のようになっていたらしい。


つまり、「海岸線が長さ」、そして「海進」
白亜紀は浅海域の面積がかなり広かったのである。


光で満ち溢れ、温暖だった浅海でプランクトンが増殖し、
生物にとって、かなりの恵みの海が広がっていたに違いない!

しかし、生物で満ち溢れるということは
それを捕食する生物が次々と現れ、
熾烈な弱肉強食が展開することはいうまでもない!


クシファクティヌス  属名(Xiphactinus )


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現在の硬骨魚で強食者といえば、3m程度のマグロやカジキといったところか。
泳ぐスピードはかなりのものだが小魚を捕食する程度。
しかし北アメリカの白亜紀海路で生息したニシンの仲間
クシファクティヌスは全長6mもある巨大魚で
2mもある大型魚や海生爬虫類を一気に丸呑みしたという強食者だ!


しかし!


クレトクシリナ 学名(Cretoxyrhina mantelli )


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そんなクシファクティヌスを襲った恐るべき巨大ザメが存在したようだ!
化石からクシファクティヌスを捕食した証拠が残っているという。
さすがはサメ。現在も含めいつの時代も頂点捕食者であり続けている。


しかし!


ティロサウルス  属名(Tylosaurus )


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そんな巨大ザメのクレトクシリナを襲うほどの猛者が
このオオトカゲが海に進出したモササウルス類の1種
「ティロサウルス」である!
モササウルス類は浅海の王者ともいわれ、白亜紀の海では
うってつけの海生爬虫類だ!
全長20m近くになる大物もおり、ヘビのように大きく開くことの
できる顎は動くものなら巨大動物であれ、なんでも喰らいつく恐ろしい奴だった!


しかし!


白亜紀の海で忘れてはならない存在がいる!


クロノサウルス  属名(Kronosaurus )


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「海のティラノサウルス」と呼ばれる強食者
顎の大きさは史上最大級の3mを越え、咬む力は
ティラノサウルスの数倍!歯の大きさはタケノコサイズに
及ぶという、あきらかに大物のみを獲物としない強者である!
化石はオーストラリアの内陸、クイーンズランドで発見されており
エロマンガ海で10mは越えるであろう首長竜「エロマンガサウルス」
を容易に捕食していたであろう。


とにかく信じるは己のみ・・・!
たとえ頂点捕食者であろうと
さらなる天敵が襲い掛かる油断のならない白亜紀の海であった・・・。