どうやら、鳥類というのは
離れ小島という敵のいない環境に生息すると
空を飛ぶことをやめ、翼を退化していく傾向にあるようだ・・・。
空を飛ぶということは莫大なエネルギーを必要とするからだ。
敵のいない場所で空を飛ぶ必要はない。
小島に生息し空を飛ばなくなった鳥の例として
「不思議の国のアリス」で知られるドードーがあげられるだろう。
ドードー
学名(Raphus cuculatus )
インド洋、モーリシャス島に生息した飛ぶことをやめたハトの仲間。
天敵のいない島で生きてきたせいか、
警戒心がまったくなく、人間にたやすく捕獲されてしまい
食料にされてしまったらしい。
しかし肉はたいへん不味く、人間の食料とされるよりも
人間が連れてきた家畜による駆逐の方が深刻だったようだ。
そんなこんなで
ドードーが発見されてから170年あまりで絶滅した。
このように敵のいない島で危機感なしに生きてきた
飛ばない鳥は突然の来訪者にたやすく絶滅に追いやられるわけだが、
その極め付けがコイツだ!
スチーフンイワサザイ 学名(Xenicus lyalli )
スズメの仲間。スズメ目では唯一、飛ばない小鳥である
飛ばない鳥が多く生息するニュージーランド。
その北島と南島の間に位置するステファンズ島という
1892年にこの島に灯台の建設がはじまり、
3人の灯台守とその家族が移り住んだという。
その後の1894年、灯台守の家族が連れてきた飼い猫が
見慣れない鳥を捕まえていた。
その鳥に興味をもった灯台守は学者に調査を依頼し、
その鳥が新種であることがわかったという。
その後、その鳥の生きた姿を求めてこの島を調査したが
結局、見つかることはなく・・・。
飼い猫はこの鳥を合計15~16羽ほど捕獲していたが
まさかまさかの
この飼い猫一匹による駆逐によって
この飛ばないスズメが絶滅されてしまっていたのだ!
おそらく
このスチーフンイワサザイは突然の分けのわからない敵に
ただただ捕殺されてしまったのだろう。