デスモスチルス 属名(Desmostylus )
2800万年前~1300万年前の日本から北アメリカの西海岸にかけての
北太平洋の海岸で生息していた古代獣。
世界で完全な骨格標本は2体のみ。
いずれも日本から出土したという日本を代表する古代動物だ!
その姿は足が胴体の側方に張り出し、這いつくばるように歩き、
彼らは現在では見られない
「束柱類」という絶滅した独自のグループなのだ。
この「束柱」という名称はその独特の歯の形状から来ている。
前からいつも見るたびにカッパ巻きに見えて仕方なかったのだが、
象牙質の芯を分厚いエナメル質が取り巻いた円柱が
いくつも束になった歯をしているのだ。
当然ながら硬くて食べられない
ちなみにデスモスチルスはギリシャ語で
デスモス「束ねられた」+スティルス「円柱」だ。
そんな独特な歯、カバなのかセイウチなのかよくわからない
現在では類見ないデスモスチルス(束柱類)
最近では束柱類の近縁な哺乳動物がわかってきたようだ。
ゾウの仲間。そしてジュゴン やマナティー といった「海牛類」
に近縁らしい。
ゾウ類、海牛類、そして束柱類を合わせて
「テチス獣類」と呼ぶ。
テチス獣類はかつてアフリカ大陸とユーラシア大陸の間にあった
テチス海周辺で放散展開したグループらしく
陸上を生活の場にしたのがゾウの仲間。
海や川などの水中に適応していったのが海牛類
そして
海辺で半水生の生活を送ったのが束柱類だったようだ。