ティラノサウルス 学名(Tyrannosaurus rex )
マンガンという鉱物が骨にしみこんで黒くなった「ブラックビューティー」
病気やケガの傷跡が多く激しい一生を過ごした最大の個体である「スー」
国立科学博物館にレプリカが展示されている「スタン」など
どれもすばらしい標本があるのだが、
発掘場所は北米大陸西部のアメリカとカナダの国境付近と
きわめて限定的だ。
北米大陸で発掘される恐竜の化石は
ティラノサウルスの他にトリケラトプス などの角竜と
有名どころの恐竜が多いのだが、
発掘地は北米大陸西部に集中している。
それはなぜか!
恐竜時代、北米大陸はド真ん中で
南北に走る海が存在し、北米大陸は東西に分断されていたのだ!
つまり
恐竜たちは海に阻まれアメリカ東部には渡れなかったということになる。
その太古に存在した海は「白亜紀海路」「サンダンス海」なんて呼ばれている。
全長4mにもおよぶ巨大ウミガメのアーケロン の化石が発掘されている!
そして
ティラノサウルスはどこからやってきたのか・・・。
北米大陸より西の大陸、アジアだ!
中国ではティラノサウルス類の原始的な種が最近になって
活発に発掘されている。
ディロング・パラドクサス 学名(Dilong paradoxus )
中国で化石が発見されたティラノサウルス類の祖先種「ディロング・パラドクサス」
その名の意味は「逆説的な皇帝竜」
あの巨体なティラノサウルスの仲間であるが、全長はわずか1.6メートル
と小さく、
ティラノサウルスの特徴である小さく2本指の前肢でなく
3本指で長い前肢。
という姿こそ、あまのじゃくな恐竜だ。
どうやら、ティラノサウルス類はもともと小型な肉食恐竜で
巨大化の進化をたどったらしく、
アジアから北アメリカへ移動していったというシナリオが
浮かび上がってくるわけだが、
恐竜時代、アジアとアメリカは陸続きだったのだ!
現在のベーリング海峡が恐竜時代にはアジアと北アメリカを結ぶ陸橋だったようだ。
アジア+北アメリカ西部・・・その大陸は「アジアメリカ大陸」。
ティラノサウルス類がおもに活動した大陸なのだ!
今でも中国で
ティラノサウルスの祖先種が発表されている!
ラプトレックス 学名(Raptorex kriegsteini )
ナショナルジオグラフィックニュース 2009年9月18日
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009091803&expand
全長2,7mほどのミニティラノサウルスと呼ばれている肉食恐竜
ティラノサウルスの祖先種にあたる恐竜で
2004年に発表されたディロングとは対照的で
ティラノサウルス類はすでにティラノサウルスのような体形で
巨大化進化したことがわかったという。
肉食恐竜ティラノサウルス類と似た道のりをだどった
植物食恐竜の角竜も
アジアには原始的な角竜、プロトケラトプス やプシッタコサウルス
北アメリカには進化した角竜、トリケラトプス やパキリノサウルス
が発掘されている。
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