マッコウクジラ  学名(Physeter macrocephalus)


マッコウクジラ

マッコウクジラといえば、
その体の3分の1を占める
おそろしく肥大化した頭部だろう。


マッコウクジラは7kgもあるという
すべての動物の中でもっとも大きな脳をもっているが
この巨大な頭部の中身のほとんどが
「脳油」というワックスの塊がつまっている。


脳油は白く濁った液状であることから
マッコウクジラは英語で「スパームホエール(精液クジラ)」なんて
とんでもない名前がつけられている。


そんな脳油の量はなんとゾウ1頭分の4トンにもなるという!


ゾウ1頭分の精液・・・じゃなくて
大量の脳油でマッコウクジラは驚異的な能力を生み出すのだ!



クジラの中でも
マッコウクジラは最も深く、最も長時間を
潜水することで知られている。


ソナーを用いて確認された潜水記録は1200mであるが、
捕獲されたマッコウクジラの胃の内容物から
深海の海底にしか棲まないサメなどが発見され、
3000m以上深く潜ることができたのではといわれている!


マッコウクジラの骨格と悩油

そんな潜水能力は
脳油の比重を変えることによって可能になるという!

潜水前の脳油は液体であり、海水より比重は軽く浮袋の状態だ。
これでは浮力が大きく潜るのは難しい。


そこで
マッコウクジラは
脳油の中をとおる右側の鼻道と
脳油の側面をとおる左側の鼻道に
冷たい海水を取り入れ脳油を冷やす。
すると
脳油はかたまりだして縮小し、固体になる。
つまり
比重が大きくなって錘(おもり)になるわけだ。


マッコウクジラの潜り方

おもりと化した頭で潜水するマッコウクジラは
まるでエレベータのごとく、
頭を下に垂直にスーッと沈んでいくのだ!

そして浮上する時は
鼻道から海水を出して、脳油の周りの血管の血液で暖め、
脳油を液状にもどして浮力を得るのだ。


そしてマッコウクジラは深海に潜ったら
たいてい1時間以上戻ってこない。


この時間を
マッコウクジラは暗黒の深海に何しに行っているのか・・・
それを見たものは誰もいない。


しかし
捕獲されたマッコウクジラの胃の内容物から察するに
深海はマッコウクジラの狩場であることは間違いなさそうだ。


そう、誰も見たことないが、有名な対決。


マッコウクジラ対ダイオウイカ

世界最大の肉食動物「マッコウクジラ」
世界最大の無脊椎動物「ダイオウイカ 」の壮絶バトル!


マッコウクジラの皮膚にはダイオウイカがつけたと
思われる吸盤の跡、また胃の内容物から
ダイオウイカが出るなど獲物にしたのは間違いないだろう。


マッコウクジラは
体長16m、体重45トンにもなる巨大肉食動物。
シロナガスクジラ セミクジラ のヒゲクジラ類のように
一気に海水ごと大量にエサを飲み込む捕食方法を
持ち得ておらず、
それで、このような巨体を維持するには
ダイオウイカのような大きな生き物は恰好の獲物なのだ!


そして
マッコウクジラには捕食方法として
また脳油が一躍をかっている!


イルカなどハクジラ類は視界の悪い海中では
目で見ることに頼らず、
超音波を発して障害物などに跳ね返ったものを聞いて
周りの状況を把握するエコーロケーションを行う。
頭の中にある「メロン」という器官で
音を1点に集めることができるといわれる。


マッコウクジラは
巨大な脳油をレンズのようにつかって
額から強力な「超音波ビーム」を発射するのだという!


超音波ビーム

この衝撃を喰らったイカや魚などの獲物は
気絶あるいは死に至ることもあるという
すさまじい遠隔攻撃だ!


しかし
脳油器官の働きには様々な説があるが、
それを行われている場所はあまりにも深く漆黒の世界・・・。
今はそれを確認した者はいない。


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