カモノハシ 学名(Ornithorhynchus anatinus )


カモノハシ

オーストラリアに生息する原始的な哺乳類。
体毛で覆われ、母乳を与えて子供を育てるところは哺乳類だが、
哺乳類には見られないアヒルなど鳥類のようなクチバシを持ち、
爬虫類や鳥類と同じく卵を産むという世界で最も奇妙な哺乳類だ!


日本、イギリス、アメリカ、オーストラリアの研究員ら約100人
でつくる国際チームが
カモノハシのメスの遺伝子を調べたところによると
カモノハシの遺伝子も

哺乳類、鳥類、爬虫類の遺伝子の寄せ集め的
動物であることがわかったという!


5月8日asahi.com
http://www.asahi.com/science/update/0509/TKY200805090094.html


つまり、外面のみならず、内面的にも
「哺乳類+鳥類+爬虫類」という
とことん変り種の
とんでもないキメラ動物ということになる!


■カモノハシの哺乳類的なところ■

 まずはカモノハシは母乳をつくる遺伝子があり、
 これは哺乳類の特徴である。


カモノハシの授乳

 子供をお乳を飲まして育てるわけだが、
 「乳首」がないので
 腹部の乳腺から染み出て毛をつたって
 流れる母乳を
 子供が舐めるという
 おそらく原始的な授乳方法だ!


■カモノハシの爬虫類的なところ■

カモノハシ(オス)の後足の踵(かかと)には
蹴爪が鋭く発達しており、そこから
毒を出すことができるのだという。


カモノハシの毒腺

その毒の強さはイヌをも倒すほど、
人間でも死亡例があるとか。

そんなカモノハシの毒は
ヘビなどの爬虫類と同じタンパク質からできている

のだという!



■カモノハシの鳥類的なところ■
 人間の性を決定付ける性染色体
 1ペアの2本である。
 しかし、
 カモノハシの性染色体はなんと!
 5ペアの10本もあるのだという!


ヒトの性染色体

    SRYとは・・・(Sex-determining Region on the Y chromosome)精巣決定因子


カモノハシの性染色体

 
 さらに!
 そのうちのX染色体のなかでも最も短い「X5」には
 鳥類の性染色体の「ZZ/ZW型」で性決定をするとされる
 「DMRT1遺伝子」が絡んでいるのだという。
 鳥類などの性に関わる染色体に似た構造

 カモノハシはもっているというわけだ!

 しかし、それが性の決定など、どう影響しているのかは謎だ!



カモノハシ関連の系統図
 


哺乳類が鳥類や爬虫類との共通祖先から分かれたのは
3億1500万年前。その頃から、カモノハシにつながる祖先は
鳥類や爬虫類の特徴を持ち続けたと考えられており、

「カモノハシのゲノムと他のほ乳類のゲノムを比較すれば、
進化の過程でも変わることなく保存されてきた遺伝子の
研究が可能になるだろう」

研究チームの一人、米ワシントン大学のリチャード・ウィルソンは
話している。
また、
英オックスフォード大学のクリス・ポンティング教授は
「カモノハシは、ヒトなどのほ乳類がどのように誕生したか
を解明する課程での『ミッシング・リンク(失われた環)』だ」

と説明。
「ほ乳類が卵から生まれ、母乳を飲んで育っていた時代へ
われわれを導くチケットなのだ」

カモノハシのゲノム解読の重要性を強調している。


まさに進化の生き証人である!




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