大分県宇佐市安心院町の深見川右岸、
350万年前の地層から古代ゾウの一種
「ミエゾウ(三重象)」(学名 Stegodon miensis)
と呼ばれる古代ゾウの切歯。
いわゆる牙が発見されたそうだ!
(三重県で臼歯が初めて発見されたから三重象。)
西日本新聞 2008年4月16日
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/16719
ミエゾウとはマンモス
やナウマンゾウ
より
古い時代に生きたステゴドンという仲間に属する。
ステゴドン 属名(Stegodon )
ステゴドンにもたくさんの種がいて、大陸に住む巨大なガネーシャ象(後ろ)
と日本で小さくなったアケボノ象(前)などいた。
発見された牙(切歯)は人の背丈ほどの長さ156cmにもおよび、
直径16cmもある太さだ!
しかし、この長さは欠けて残った部分の長さだ!
根元が50cm、先端が100cmも欠けていると見られ、
実際には3mの長大な牙になるのだという!
この長大な牙が物語るように
ミエゾウは体長7m、体重では10トンという
アフリカゾウ
を凌ぐ巨大なゾウなのだ!
これは
国内では最大の古代ゾウ・・・、
いや、国内史上最大の陸生哺乳動物になるのだ!
ミエゾウを含むステゴドンの牙の特徴は
マンモスのように湾曲しておらず、
ややまっすぐストレートに伸びている
3mをも越えようかという牙がストレートに伸びているのは
かなりのインパクト大だ!
その極めつけは
第三紀鮮新世(400~300万年前)の中国で
生息していたというコイツだ!
黄河象(コウガゾウ)学名(Stegodon huanghoensis )
ミエゾウともっとも近いとされる古代ゾウ。
コイツはミエゾウより巨大なゾウで、
軽々と体長7mを越えるという!
そして何といっても
牙と牙の間隔はかなり狭く、
その間に長い鼻を通すことができなかったという
一風変ったゾウなのだ!
つまり
水を飲む時も
食べ物を鼻で掴んで口へ運び食べる時も
牙の横から鼻を伸ばさなければならないという
ちょっぴり面倒?なことになっている。
ミエゾウもコウガゾウを参考に復元されており、
そのコウガゾウのような古代ゾウだったかもしれない。
ちなみに
今回、ミエゾウの牙の化石が発見された
大分県宇佐市安心院町では
2004年に
幅100cm、長さ80cmの完全な頭骨化石も
発見されている。
共同通信2004年11月17日「ミエゾウの頭骨、完全出土」
http://www.47news.jp/CN/200411/CN2004111701003335.html