じもっち1 「あの島。

   台風が来るたんびに、小さくなっちょるような気がするけのぅ

   わしの気のせいかのぉ?」



じもっち2 「ああ、気のせいじゃないけぇ。

   わりゃ~なして、あの島がホボロ島っていうか知っとぅか?」



じもっち1 「ホボロってあの竹カゴのことじゃろ。」


じもっち2 「そうじゃ。あのホボロをひっくり返したような形じゃけん

   そがいについたんじゃげな。」


じもっち1 「とがぁ~そがいに見えんけぇ」


じもっち2 「昔はそがいに見えたけぇ

   今はめげてもうて、ほいであがーなことなったんじゃけん」


じもっち1 「なして、あがいな島だけ?他の島はな~んもなっとらんけん。」


じもっち2 「そげぇーなことまで、知らんわ」



広島県東広島市安芸津町、

その沖合約500メートルの瀬戸内海に浮かぶ無人島


「ホボロ島」


なぜこの島だけが小さくなっていくのか・・・。

地域の住民は不思議に思っていたという。


ホボロ島をグーグルアースで見る↓

http://google-earth-travel.net/mars/maps.cgi?loc



1956年発行の地図によると

標高22m 長さ120m 幅25m

ほどの大きさの小さな無人島


50年前のホボロ島

(50年前のホボロ島)


しかし!

50年たった現在のホボロ島は

あまりにも変わり果てた姿になっていた!!
現在のホボロ島

(現在のホボロ島)


大潮の満潮時ともなれば、島の大半が水没し、

高さ6mの岩だけ

顔をのぞかせる程度まで縮小したという!


たとえ侵食でここまで地形が変化するのは

数千年、数万年という時間が必要だ!


それをわずか50年で・・・。


島をそんな短期間で侵食させるものは何か!?


地域住民から依頼を受けた

広島大学・沖村雄二名誉教授らが

平成18年5月から調査しはじめて、その結果、

その犯人がわかったという!!


それがコイツだ!!


ナナツバコツブムシ 学名(Sphaeroma sieboldii )
ナナツバコツブムシ

体長わずか1cmほどの小さな虫。

節足動物門 軟甲綱 等脚目に属する

いわゆるダンゴ虫の仲間だ!


この島には実に1000万匹という

おびただしい数のナナツバコツブムシがいると推測されているという!!


そして1000万匹という大群が

強靭なアゴで岩に穴を掘り、島をまるで蜂の巣のごとくしたという!

もちろん、そのような岩はもろく、波で壊れやすくなり

徐々に島が小さくなったというわけだ!


しかしなぜ、この島に

ナナツバコツブムシが大量繁殖しているのか?


★この島の地質によるもの

  火山灰や噴石で積もった「デイサイト溶結結晶凝灰岩」という

  風化しやすい岩石はナナツバコツブムシが巣穴をつくるのに都合がいい。


★餌が豊富

  近くには牡蠣(かき)や真珠の養殖場が盛んに行われており

  貝の排泄物などの有機物が豊富。それを餌としている。


この島が消滅するのは

もう時間の問題である!!