火、 水、 土 そして 風・・・。
その4つのエレメントで世界が成り立つと古代人は語っていたという。
「愛」がこの4大エレメントを結合させ、
「争い」がこれらを分離するともいわれている。
いつしかサルの末裔である人類は
火のエレメントを独占し、
火を使い、鉄を産み出し、
そして今では核融合という太陽なる絶大な力を手にした。
いつしか人類はその禁断の破壊力に
自ら恐怖し、
その破壊力による抑止力で平和を維持してきた。
いわば、
平和と破滅は表裏一体の状況と化したのだ・・・。
一方。
風のエレメントを独占した者がいる。
風を知り、世界じゅうの大空を駆け巡る者。
鳥だ!
その中でも
世界の最果てから最果てまで渡り飛ぶ鳥が
コイツだ!
キョクアジサシ 学名(Sterna paradisaea )
渡り鳥といっても、渡りをする距離は様々。
キョクアジサシは最も長い距離を渡る鳥だ!
キョクアジサシの「キョク」とは北極や南極の「極」という意味で
ずばり
北極→南極→北極と3万2000kmの距離を
1年かけて渡る
次は
アネハヅル 学名(Anthropoides virgo )
アネハヅルはモンゴルから南下し、インドへ渡る鳥で、
渡る距離は短いが、
なんといっても、渡りの途中に
そびえ立つのが世界最高峰のヒマラヤ山脈!
これを越えるには8000m以上という高空を飛ばなければいけない!
実は自らの羽ばたき飛行で越えることはできないという。
山や谷で入り組んだその場所は
常に、上昇気流と下降気流が発生し、
風を読み、うまく上昇気流に乗って、
キョクアジサシのように長い距離を飛ぶもの、
アネハヅルのように高い空を飛ぶもの、
そして次は長い時間を飛ぶものだ!
セグロアジサシ
学名(Sterna fuscata )
細長くスマートな翼と尾羽は飛翔能力が優れていることを
物語っている。
実はコイツは歩くことも水に浸かることも苦手で
羽毛が薄いために、水に浸かると溺れてしまうという
海鳥としては、あるまじき致命的な弱点があるのだ!!
つまり、生活のほとんどが飛ぶことを余儀なくされたという
いわば、鳥の中でも飛翔のスペシャリストなのだ!!
そして、その飛ぶ時間が半端ではない!
繁殖の場である熱帯の島から巣立った若鳥は
一度、島を出て生活し、
3~4年後、成鳥となり、再び繁殖のために島に戻るのだという。
実は
歩くことも水に浸かることも苦手なこのセグロアジサシは
その3~4年間を飛び続けて生活している
なんと、睡眠中も飛び続けているというから
驚きである!
鳥ほど風をものにした生き物は他にはいない。