去年、もっとも話題を集めた動物といえば

2本足で立つレッサーパンダ の「風太」くんであろう。

風太君

しかしながら、レッサーパンダが2本足で立つことは

それほど珍しいことではないという。


そのわけはレッサーパンダの足の構造だ!

われわれ人間と同じく

他の動物と違い、レッサーパンダは「かかと」を地面につけて歩く。

クマもよく立ち上がったりするが、

「かかと」を地面につけた歩き方を普段からしているためだ。

「かかと」をつけることによって、

2本足でも安定感があり、容易に立つことができるわけだ。


このような動物を「蹠行性動物」という


あと、かかとを上げて歩く動物に

「指行性動物」そして「蹄行性動物」と3タイプが存在する。


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■蹠行性動物■~それはかかとを地面につけて歩く動物


人の足はしょ行性

これは蹠行性動物であるヒトの足だ!

猫や犬はかかとを地面につけず、つま先で歩くが

ヒトやサル、クマは「かかと」を地面につけることによって

安定性が抜群になっている。


しかしながら、走る速度などは落ち、

機動性がない

そのため、私たちが速く走ろうとおもえば、

かかとをあげ、つま先だけで地面を蹴って走るというわけだ。


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■指行性動物■~それは常につま先だけで歩く動物。

猫や犬の足は指行性

左は指行性動物であるネコ科動物の後脚。

右は人間の足が指行動物の歩き方を真似た図だ


やはり蹠行性動物より、安定性は欠けるものの

走行性は長けている

しかも、静かに忍び寄ることや、急旋回にも

優れており、イヌ科やネコ科動物のような

ハンター動物にはうってつけの

万能型の脚といえる!!


忍び足で歩くネコ科動物

人間でも忍び足をするときは

かかとを上げて、静かに歩くのは

このためである。


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■蹄行性動物■~それは指(蹄)の先端だけ地面につけて歩く動物


ウシやウマの足は蹄行性

左はウシやウマの後足。地面についているのは

爪の代わりみたいな蹄だけだ

バレリーナのウシ

人間がこれをやるのは負担が大きすぎ

困難極まりない。

蹄行性動物は

四六時中、バレリーナのポワント(つま先立ち)状態なのだ!

人間の足ではとても真似ることができない!!


蹄行性動物はウマが好例であるが、なんといっても、

指行性動物よりもさらなる走行性を上げ、

平坦な大地を軽やかに走り抜ける動物といえよう。

いわば、疾走のスペシャリスト的な脚なのだ!

肉食獣から逃れる草食獣によく見られる脚だ。



蹄行性動物の脚となると、われわれ人間と

かなりかけ離れた構造になっている。

たとえば、蹄行性動物のキリンの脚を見て、

どこが「膝」で、どこが「足首」と聞いてみたら

大半の人は間違えて答えるだろう。


キリンの骨格 キリンの膝は意外なところに!

この図のように足首から指先まで異様に長いのが

蹄行性動物の特徴だ。


カバ

蹄行性動物の中でもカバ のような

とても疾走しそうもない動物もいる。

彼らは疾走をやめ、蹄(指)を肥大化させて、

巨体を支える安定性を確保している。

しかし、こんなカバでも指先だけで

歩いているのには変わりがない!!