魚はエラの呼吸によって
溶存酸素(水中に含まれる酸素)を
体内に取り込む。
しかし水界にある酸素は、ごくわずかで、
淡水域ではその酸素の量も場所によっては
不安定極まりない・・・。
生命活動の源、酸素は
じつに空気中に大量にあるのだ!!
いつしか、魚は空気中の酸素を獲得できる
肺をもつようになったのは必然といえよう。
ユーステノプテロン 属名(Eusthenopteron )
4億年前の肺魚。
エラ呼吸もできるが、肺に似た鰾(浮き袋)によって
空気を吸い込み、空気中の酸素を摂取できた。
肺魚はエラ呼吸もでき、肺呼吸もできる。
これは同じ呼吸器官であるが、、
エラと肺はまったくの別物ということを意味する。
つまり
肺はエラの水中呼吸から
空気呼吸に進化したものではない
ということになる!!
では肺はどこの器官から生まれたのか・・・。
それはこの魚が教えてくれるという・・・。
ドジョウ 学名(Misgurnus anguillicaudatus )
柳川鍋、ドジョウ汁、踊り食い、
そして、今や伝説の宴会芸となったドジョウ掬いの安来節・・・。
日本人には馴染みのある淡水魚だ!!
ドジョウは流れのない澱んだ水域に生息しており、
そのような環境では酸素欠乏の状態が時折おきる。
するとドジョウは水面に口を出して空気を吸い込む。
しかし!
ドジョウには肺魚のように「肺」というものがない!!
実は吸い込んだ空気は腸へ流れ
そこでガス交換され、肛門で二酸化炭素が排出されるのだ!!
これを「腸呼吸」という
ドジョウはお尻から空気(オナラ?)を出すが
これは腸呼吸による二酸化炭素が排出されているのだ!!
つまり、これは
肺の起源は消化器官から発生したことを
物語っているのだ!!
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クサガメ 学名(Chinemys reevesii )
私は子供の頃、ドブ川に入り、
よくクサガメやアカミミガメを捕まえにいったが、
水中にいるクサガメを捕まえて、水中から出すと、
ものすごく、人間並みとも思えるほど大量の尿を
出していました。
しかしこれは尿ではないことを最近知りました。
実はクサガメなどの淡水亀も腸呼吸をするそうです。
でもドジョウとは逆バージョン。
■ドジョウ→「エラで水中の酸素を」・「腸で空気中の酸素を」
■クサガメ→「肺で空気中の酸素を」・「腸で水中の酸素を」
長く水中にいる時は
肛門から水を吸い込んで、肛門の奥の特殊な器官で水に含まれる酸素を
取り入れるそうです。
つまり私が尿と思っていたその液体は
腸呼吸のために肛門から吸い込んだ水が、
腸を通って肛門から出たものだったようです。



