エウロパサウルス 学名(Europasaurus holgeri )
ドイツ北部のジュラ紀後期(約1億5000万年前)の
地層から幼体から成体まで11体の化石が発見された。
このエウロパサウルスは「竜脚類」という20m以上のデカさは
ざらにいるという恐竜の中でも、デカさがウリの
恐竜グループに属する。
しかし、このエウロパサウルスは
竜脚類の中でも、とにかく小さな種なのだ。
上のイラストはブラキオサウルスとの大きさの比較だが、
けっして親子ではない。
6mのエウロパサウルスは立派な成体なのだ!
なぜ、巨大を誇る竜脚類というグループに
こんな小さな種が現われたのか・・・。
ジュラ紀後期のヨーロッパは大陸ではなく、
たくさんの島が点在していたという。
その「島」という限られた土地で
エウロパサウルスは生活をしていた。
土地が限られているということで
当然、エサである植物も限られるというわけで、
そこで生きるためには巨体を維持するための
大喰らいより、体を小さくして少ない食料で
済むほうが都合が良いというわけだ。
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■島に住む小型化する生き物たち■
「島」に住む生き物にはある傾向が見られるという。
・ウサギより大きな動物は小型化
・ウサギより小さな動物は大型化
とりあえず、島に住む動物で小型化したものを紹介する
ドワーフエレファント 学名(Elephas falconeri )
「ファルコネリ象」ともいう。
マルタ島など地中海に浮かぶ島々に生息していた
小型のゾウだ!!
体長は150cm、そして体高は90cmと
現代では最大の陸棲動物といわれるゾウと
同じ仲間とは思えない小ささだ!
ペットにするにはあまりにも手頃サイズで、
室内でも飼えるのではないかという勢いだ!
ステゴドン 属名(Stegodon )
大きい方はガネーシャ象 学名(Stegodon ganesa )
小さい方はアケボノ象 学名(Stegodon aurorae )
同じステゴドンでも大きい方の「ガネーシャ象」は
体高4mとデカく、インドで化石が発見されている。
つまり大陸に生息していた。
それに比べ、
アケボノ象は大陸から離れた島国「日本」で
化石が発見されており、島に生きる動物らしく
体高2mと小ぶりだ!
さらにステゴドンは東南アジアにも生息の場を広げ、
インドネシアの「フロレス島」にいた
ソンダーゾウ(Stegodon sondaari )や
フロレスゾウ(Stegodon florensis )は
わずか体高120cmほどしかなかったという。
そしてフロレス島といえば、
忘れてならないのがこれだ!!
フロレス原人 学名(Homo floresiensis )
↑フロレス原人 ↑現代人(ホモ・サピエンス)
島で小型化するのは象ばかりではない。
我われと同じホモ属にも、
1万8000年前のフロレス島で、この傾向が
起こっていたのだ!!
成人になった身長でもわずか100cm。
4歳児なみの身長で、体つきは子供のような
頭でっかちではなく、成人のスタイルになっている。
つまり頭は小さく、
われわれ人間の脳容量は平均1400ccであるが、
フロレス原人は
脳容量はわずか380ccである。
これはチンパンジーの脳とほぼ同じ大きさで
ホモ属としてはもっとも脳容量が少ない。
しかしながら、
石器を作り、それを用いて狩りをし、
火をも使いこなしていたという。
脳は小さいといえど、人類のような
立派な生活をしていたのだ!
そして、
フロレス原人は
1万2000年前、フロレス島の噴火に巻き込まれ
フロレスゾウとともに絶滅したという。
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おまけ
■歴史上の人物の脳容量■
ロシアの文豪 イワン・ツルゲーネフ(2012g)
ドイツの哲学者 カント(1600g)
夏目漱石(1425g)
成人の平均 (1400g)
明治の政治家 中江兆民(1310g)
アインシュタイン(1230g)
フランスの文豪 アナトール・フランス(1017g)
脳の大きさは賢さには、あまり関係ないようだ。