4億年前、デボン紀後期。

脊椎動物が陸に初めて上陸した・・・。

イクチオステガ  学名(Ichthyostega )

イクチオステガ


魚類のヒレから陸を歩くための四肢に変化し、

最初に上陸したといわれる記念すべき古生物。

(今ではイクチオステガは大半を水中で過ごし、

「ヒレ⇒四肢」という進化は水中生活のうちに起きたとされている。)

陸を歩くための足をもった動物たちは

次々と上陸を果たす陸上動物となった。

しかし、

陸で生活できるといえど、

彼らの生活には必ず川や湖など水のある環境

依存しなければいけない理由があった。

それは卵だ!

両生類などの卵

産まれてくる卵に陸での乾燥した環境を

耐えうる術を持ちえていなかった。

陸で産卵すれば、当然のごとく卵の中の

胎児が干からびてしまうのだ。

さらなる大地の奥地へ、

いや、大規模な干ばつが起きて

川や湖が干からびて繁殖できない時期もあっただろう・・・。

そこで現れたのが羊膜類である!

羊膜とは卵の中にある胎児を乾燥から守る

画期的なシステムだ!

羊膜類の卵

羊膜類の卵は

羊膜や卵殻による密閉構造により、

水分を逃がさないようになる。

陸上で繁殖ができるようになるわけだ。


完全陸上生活の獲得である。

羊膜類

これが羊膜類のすべてだ!

陸上での繁殖を可能にした脊椎動物たちである。

ちなみに哺乳類は卵を産まないが

卵殻を失くして胎児を母親の体内で

育てて、さらなる保護を確立したと思えばいい。

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長い生物史のなかで、

羊膜類のなかでもいくつかの種が

陸上から海へ生活の場を変えるものもいた。

しかし

産まれる卵は困ったことに

陸上で産むために開発された羊膜卵だ!!

また羊膜卵を水中で産むとなれば、

中の胎児は呼吸ができなくなるのだ!

オサガメ

ということで、

海に生活の場を変えた爬虫類ウミガメなども

やはり産卵のため、わざわざ陸上に上がる

必要があるわけだ。

では、羊膜卵を産む爬虫類は

一生を水中で過ごすもの、

水中で繁殖ができるものはいないのか

といえば、そうでもない。


ジュラ紀、恐竜時代の海にすでのそのような種が

現れている。

ステノプテリギウス  属名(Stenopterygius

ステノプテリギウス

マグロのように高速遊泳魚のような体つきに

なった海生爬虫類の魚竜類。

明らかにこの体で陸上に上がることはできないのは

見てわかるだろう。

このステノプテリギウスという魚竜の化石には

母親の腹部には卵ではなく

胎児の骨を残した化石を発見されている。


そう、彼らは母親の体内で卵を孵化させて

卵でなく子供を生む

卵胎生という形で

水中の繁殖を可能にしているのだ!!

これで羊膜類でも 完全水中生活できるようになったわけだ。

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羊膜類で「完全水中生活」ができるもの。

爬虫類では恐竜時代から「卵胎生」で、

完全水中生活ができる海生爬虫類が多くの種が

いたと思われる。

哺乳類では、もともと胎生であったため、

クジラなどの海生哺乳類は繁殖に関しては問題なく、

「完全水中生活」できるようになった。

われわれ人間でも水中での出産を選ぶ者もいるほどだ。

しかし

鳥類では水中で繁殖、「完全水中生活」を獲得した種は

今だかつていない。

だが、遠い未来にはそのような種があらわれることだろう。

未来動物投稿ありがとうございます!

ジュゴンモドキ

ジュゴンモドキ

孔明さん投稿の未来動物

鳥類が海に進出し、ジュゴンのような姿になった

海生鳥類の1種。

しかしこの種は卵胎生や胎生を獲得しておらず、

卵を産む。

つまり陸上で卵を産む。

しかし、

いずれは完全水中生活ができる海生鳥類が

あらわれる。

ローレライ

ローレライ

孔明さん投稿の未来動物

完全に海で適応したペンギンの子孫だ。

卵ではなく子供を産み

卵胎生から胎生への移行段階にある種だ。

母と子の間にはへその緒のようなものに

つながれている。

へその緒の先には

母親の胎内で卵黄が残っており、

産まれてからもなお、子供は

ある程度成長するまで

そこから栄養などを得ている。