私が小学校のころ・・・。

給食には毎日のように三角パックの牛乳が出ていた。

先生がいっていた。

「牛乳は飲むものではない!噛むものだ!!」

なんでも牛乳をそのまま胃に流し込むと

牛乳本来の栄養は得られないという・・・。

それはさておき、

食べ物をよく噛まない人ほど短命とよくいわれる。

よく噛むことにより、胃腸の消化を助け、

よく噛むことにより、唾液がたくさん分泌され、歯を綺麗にする。

よく噛むことにより、アゴの上下運動で脳に刺激を与え、脳を活発にする

よく噛むことにより、気持ちが落ち着き、ストレスが解消される

よく噛むことにより、少量の食べ物でも満腹感が得られ

             過食を抑え、ダイエットに役立つ。

心も体も健康を保つには「よく噛むこと」が極めて有効なのだ!!

そのためには虫歯のない健康な歯が必要だ。

歯医者嫌いで虫歯だらけの私にはかなり、おキツイ話である。

(つい最近、歯医者通いを途中下車してしまった・・・。)



われわれとは違い、魚やヘビやトカゲは

獲物をそのまま丸呑みにする。

おそらく恐竜も肉は噛み千切っても、よく噛まず

そのままゴクリと丸呑みしただろう。

しかし、われわれ哺乳類は

食べ物をよく噛んで食べるのである。

生物史上で物を噛んで食べるという起源は

いつごろ、どのような動物がはじめたのだろうか。

そして・・・。


この「咀嚼」こそが哺乳類への進化の第一歩となる!!

ディメトロドン 属名(Dimetrodon

ディメトロドン

もっとも初期の哺乳類型爬虫類。

このディメトロドンが最初に咀嚼をした古代生物だという。


ここで哺乳類型爬虫類とは

哺乳類の祖先となる爬虫類のことを指すのだが、

今現在絶滅しており、その姿を見ることはできない。

ヘビやトカゲ、カメといった爬虫類は

哺乳類型爬虫類とは別系統といってよい。

単弓類と双弓類

カメの研究で名高い

平山廉の著書「最新恐竜学」という文献によると

哺乳類の祖先となる爬虫類を「哺乳類型爬虫類」と

呼ぶなら、

今、現存するカメやヘビ、ワニなどの爬虫類は

鳥類の祖先となる爬虫類になり、

「鳥類型爬虫類」と呼べるといっている。


とりあえず話を「咀嚼の起源」に戻す。

最初に咀嚼をした古代動物がディメトロドンであるが、

ディメトロドンという名前は

「2つのタイプの歯」という意味である。

他の爬虫類はたいてい、すべての歯の形が同じであるのに対し、

ディメトロドンは形の異なる歯があるのが特徴だ。

犬歯状の歯は獲物を突き刺し、

前歯は獲物を捕らえ、噛んだりするのに

適していたという。

さらに奥の歯は臼歯にも似た短い歯列があり

噛み千切った肉を細かく切り刻むこともできたという。

これが咀嚼のはじまりだ!!


さらに完全な咀嚼へと発展するには

二次口蓋(鼻と口のしきり)が必要となる。

口の中で咀嚼している間、呼吸できないためである。

鼻息荒く、物を食べる人がいるが、

私たちが呼吸しながら食べ物を食べられるのは

この二次口蓋のおかげだ!!


トリナクソドン 属名(Thrinaxodon

トリナクソドン

すでに哺乳類っぽくなった哺乳類型爬虫類

トリナクソドン。

この古代動物はすでに完全な二次口蓋を獲得しており、

大量の食物を食べながらにして

大量の酸素を呼吸することができる。

これにより、莫大なエネルギーを要するという

「能動的な体温維持」ができるようになり、

恒温動物の哺乳類へつながるのである・・・。