トップページ新生代第四紀の世界ベーリング海(ベーリング海の悲劇)


ベーリング海の悲劇。

時は1741年11月・・・。ここは太平洋の最北端のベーリング海。


デンマーク出身の探検家ベーリング率いる探検隊が

コマンドル諸島の無人島(後のベーリング島)に座礁。

飢えと寒さで船員の半数以上が死亡した。

その中には指揮官であるベーリングも

その1人だった。


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座礁した探検船「セントピュートル号

偶然にもそこに誰もみたことのない巨大な生き物がいた。

体長は9mそして胴回りは6mを超えるクジラサイズの巨大な海牛だった。


生き残った探検隊のリーダーになった

ドイツ人医師であり博物学者の「ステラー」 によって報告され

「ステラーダイカイギュウ」と名づけられる

そしてその海獣の話はすぐに広まった・・・。

   



ステラーダイカイギュウ  学名(Hydrodamalis gigas


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体長7,5~9mの巨大な海牛。

体を大きくして脂肪を蓄え、寒冷な気候に適応していた。

寒冷な海の浅瀬に生息し、寒冷な海に育つコンブなどの海藻類を

食べた。なんでも海藻類を主に食べる脊椎動物は

このステラーカイギュウしか知られていないんだとか。


ステラーの報告により、瞬く間にこのステラーカイギュウの話題が

広まった。


船乗り 船乗りA


「いやぁ、あの探検は過酷だったね。
でもあの警戒心まるっきりなしの巨大な海獣の捕らえた

おかげで食べるのに不自由しなかったよ。

味は子牛の肉の味がしてなかなかイケてたよ。」


町人 町人B


「なんでも、ステラーカイギュウってヤツの脂肪って

アーモンドオイルのような味がして、ランプの火にも

利用できたんだとか。

ステラーたちが生還できたのもその動物のおかげ

なんだってな。」


商人 商人C

「あのベーリング海ってところ、寒いけどラッコやオットセイ

などの毛皮獣がたくさんおるんだってな。

こりゃぁ、ビジネスチャンスってヤツじゃないかい!

ハンターでも雇って、いっちょ行ってやるか!」



そしてたくさんの毛皮商人やハンターたちが肉や脂肪、毛皮を求めて

ベーリング海は旅立った・・・。

そしてステラーカイギュウの乱獲がはじまった!!


巨体であるため天敵がいないステラーカイギュウ

海でのんびり過ごしていたため、

性格はおとなしく、人間に対する警戒心がまるっきりなかった。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-ステラーカイギュウ乱獲

そして、ハンターたちにあっさり狩られてしまう。


            船乗り


船乗り「おっと、一匹をやったからといって、満足しちゃ

      いけねぇ~よ。

      本番はこれから、しばらく待ってると

      たくさんのステラーカイギュウが寄ってくるからさ。

      傷ついた仲間を助けようと寄ってくるのだ。

      その習性を利用して大漁って寸法さ。

      



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傷ついたステラーカイギュウを助けようとたくさんの仲間が

集まってくる。とくに傷ついたものがメスの場合は

特にその習性が顕著に出てくるとか!


             商人


 商人「にゃ~るほど。

     戦いに勝利するには敵を知れということかいな!!

     確かにたくさんステラーダイカイギュウがよってきよんな。

     これで毛皮がたくさん・・・

     大儲けやん!!ここは金山ならぬ金海や!!」

     



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どんどん、ハンターたちに狩られていくステラーカイギュウたち、

ステラーカイギュウのコマンドに「戦う」、「逃げる」という文字はない!!

ハンターたちに攻撃されても「傷ついた仲間」たちを見つめ

かばう」だけであった。


1741年のステラーカイギュウの発見から

27年後の1768年、

この海にやってきた男の

カイギュウが2,3ひき残っていたので殺した」としるしたのが

ステラーダイカイギュウの最後の記録であるという。


ヒトの凄まじい欲望により、発見されてからわずか27年で

ステラーダイガイギュウは絶滅されたのだ。



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