世界一、長生きした人といえば、
フランスのジャンヌ・ルイ・カルマンさん。
1997年に122歳で亡くなられました。
この年齢はおそらく人間の生きられる限界の年齢です。
哺乳動物は生まれてから性的に成熟するまでの期間が長ければ
長いほど寿命の長い動物だといわれます。
(性的に成熟する年齢)×5倍=(寿命)
★ヒトの場合、
(性的に成熟する年齢15歳)×5=(寿命75歳)
となります。ジャンヌ・ルイ・カルマンさんは
はるかにヒトの寿命を超えて生きていますね。
★カバの場合
名古屋の東山動物園のカバ「重吉」が
2001年、推定年齢53歳で死亡。
(性的に成熟する年齢10歳)×5=(寿命50歳)
★パンダの場合
上野動物園のパンダ「フェイフェイ」
1994年、年齢27歳で死亡
(性的に成熟する年齢5歳)×5=(寿命25歳)
★ゴリラの場合
上野動物園のゴリラ「ブルブル」
1997年、年齢44歳で死亡
(性的に成熟する年齢8歳)×5=(寿命40歳)
動物園に飼育されている動物は
厳しい生存競争も餌を探す苦労もなく、保護管理された環境下
なため長生きができるのです。
これら挙げられた年齢は「生理的な寿命」と呼ばれます。
しかし野生の動物は「生理的な寿命」を全うできるものは
皆無と言っていいでしょう。
野生動物の平均寿命は動物園の飼育下の動物の寿命の半分以下
とも言われています。
野生のチーターも時速110kmと言うスピードで走り、
獲物を狩りますが、やはり年老いて老化が進むと
脚力も衰え、武器である爪や牙も鋭さが減り、
獲物を獲ることができず、自滅するしかありません。
野生の哺乳動物の社会において、子供は親に手厚く保護されますが、
老化していく個体には仲間になんの保護や救済もありません。
野生の動物にとって寿命とは、性成熟に達して子孫を作れば
そこで終わりといわれ、これを「生態的な寿命」と言われます。
ヒトは老人に対しての保護、子が親の面倒を見るなど
生理的な寿命を伸ばした唯一の動物といえます。
それをまた動物園で飼育するなり、他の動物に向けているのです。