恐竜映画といえば、「ジュラシックパーク」ですね。

最新の学説を取り入れながらCG技術で恐竜を描いたこの映画は

10年以上も前の映画ながら今でも印象に残ります。

この映画に登場するティラノサウルスなど恐竜たちは

尾が地面につかず胴体は地面に対してほぼ水平になっていました。


30過ぎになる私が幼い頃に眺めていた恐竜図鑑の

恐竜たちはジュラシックパークの恐竜のような姿ではありませんでした。

尾を地面にズルズル引きずった姿です。

ティラノサウルスの旧復元

この上のイラストは昔、考えられていた恐竜の姿です。

そして

ティラノサウルスの今の復元

これが最新学説をもとに描かれた恐竜の姿です。


では、なぜこのような頭から尾までの部分が地面に対して

水平なスタイルで描かれたのでしょう。

これは化石から十分に推測できることです。

恐竜の化石は部分的な骨ぐらいしか発見されないことがほとんど

ですが、まれにほぼ全身に近い状態で発掘されることもあるそうです。


ヤンチュアノサウルスの発掘現場  始祖鳥の化石

これは恐竜の化石の写真です。右側の写真は

最古の鳥類「始祖鳥」のものですが、鳥類は恐竜の子孫です。

写真を見ればわかるように、

背中が反り繰り返っているのがわかります。

この恐竜たちが死後、化石になる前に

頭から尾までの背中の上に何か引っ張るもの

があったからです。

それはおそらく背骨の上に強力な靭帯や腱が発達していた

と考えられ、生きていたときに

乾燥した場所で死にミイラ化になる際、背中の

靭帯と腱は乾燥して、ひどく縮んでしまい

背中が反るような姿勢になったと考えられています。


この強力な靭帯の役割は頭部~背骨~尾を上から

吊り下げる役目をしていたと思われ、それは

吊り橋の構造によく似ています。

恐竜と吊り橋の構造

だから、昔の復元のように

尾を地面にズルズル引きずるような姿ではなかった

というわけです。


この背中の発達した靭帯は恐竜の子孫である鳥類にも

受け継がれており、

私たち哺乳類の背中にはそれほど発達した靭帯は

ありません。