動物には1回のお産で何万個もの卵を産むものや、
1回に1頭しか産まない動物もいます。
水族館でもおなじみのマンボウ は約2億個のおびただしい数の卵を産みます。
とにかく、たくさん産んで、ほんのわずかだけ生き残ればいいという戦略です。
私たちヒトはその逆で1回のお産で1人の子供を産むわけで、
親が産んだ子供を例外を除けば、大事に育てます。
動物たちは種として生き残るためにお産のやり方もそれぞれ違うわけです。
今日は恐竜時代とも言われる「中生代」の海のアンモナイトとオウムガイのお話。
中生代の海には頭足類(タコやイカの仲間)であるアンモナイトが
生物の中でももっとも栄えていました。
アンモナイトは6500万年前、恐竜と同じ時期に絶滅し、
現代では化石でしか存在しません。
アンモナイトの栄えた時代にもうひとつの頭足類の「オウムガイ」もいました。
オウムガイはアンモナイトより原始的でありながら現代でも
南海の深海に少なからず生き残っている「生きた化石」です。
なぜ、アンモナイトが絶滅し、オウムガイが生き残ったのでしょう。
アンモナイトは直径0,5mmほどの小さな卵を
たくさん産むタイプ。
孵化する子供はもちろん小さいので
親はプランクトンの豊富な浅い海や浅瀬などに産卵します。
プランクトンなら小さなアンモナイトの子供でも食べれるわけです。
とにかく子供をたくさん産むことによってアンモナイトは栄えました。
オウムガイの場合、
深海で産卵し、生まれる卵はほんの数個ですが、
卵の大きさは4cmにもなります。
孵化した子供は小ぶりながらも親と同じ姿をしており、また
自分でエビや魚を捕まえて食べることができます。
アンモナイトが絶滅するんではないかという時期は
中生代の最後の時代「白亜紀」(1億4400万~6500万年前)の
後半あたりの時代に
地球の気候が少しずつ変化していき、寒冷化が進みました。
中生代はどこの地域も1年中真夏日という気温が高い時代で
中生代白亜紀の後半には寒冷化で春夏秋冬という四季が
見られる地域も出てきたといわれています。
寒冷化が起これば、海の水位は下がります。これによりプランクトンの
豊富だった浅い海はなくなり、プランクトンを主食とするアンモナイトの
子供は生きていくことができなくなりました。
それが原因で6500万年前、アンモナイトは恐竜とともに絶滅したのです。
一方、気候の影響の少ない深海を生活の場とする
オウムガイは生き残りました。