刀剣類を除いて手裏剣は十手と並んで古武器としての認知度は高いです。
一般の人々は手裏剣といえば時代劇で忍者が使用する十字手裏剣や#16で紹介した手裏剣の様な「車剣」と俗に呼ばれているものを連想されると思います。
ですが、古武道などでは「棒手裏剣」を使用するのが一般的です。
私は時代劇や少年誌で忍者に憧れて手裏剣を作っては立木などに向かって投げているような子供でした。
家が兼業農家だったため工具等は自由に使う事ができたので軟鉄薄板をタガネで切り出して十字手裏剣を作ったり、細鉄棒を加熱せずに金槌で叩いて尖らせ棒手裏剣を作ったりしていました。
いずれも雑で稚拙な造りのものばかりでしたが...。
十字手裏剣は的に当たればある程度は刺さるものの命中率は悪く、棒手裏剣にいたっては何十回投げて1〜2発まぐれで刺さるという程度のお粗末なものでしたが、それでも楽しかったです。
時は流れて二十歳の頃に古書店で一冊の本を見つけました。
それがこの「手裏剣」成瀬関次 著 昭和18年発行です。
見開きには様々な形の手裏剣の写真があります。
この本に出合った事で手裏剣は忍術以外でも武術として確立していたという事、命中精度を上げる形状や打ち方(投げ方)がある事も初めて知りました。
手裏剣に対する熱がこの本で再燃した私ですが近隣に手裏剣の打ち方を教えてくれる先生や道場はありません。
それでもある日、雑誌か何かで山形県で居合を教えておられるO先生が手裏剣に長じているという僅かな情報を得た私は後日O先生に会いに行くのですが...。
----------閑話休題----------
今回は骨董的価値はない棒手裏剣ですが、鍛冶屋さんに注文して鍛造して頂いたものと自作のものを紹介させて頂きたいと思います。
画像①上から5番までが自作のもので6番から最後までが鍛冶屋さん製作です。
また、上から下に向かって製作年が古いです。
「手裏剣」に載っている写真を参考にしているのは言うまでもありません。
画像② 上Ⓐ 長さ:13㎝ 重量:30g 最大太さ(先端から3.5㎝の所):8㎜ 8角形
下Ⓑ 長さ:16.5㎝ 重量:40g 最大太さ(先端から3.5㎝の所):8.5㎜ 8角形
画像③ 上© 長さ:17㎝ 重量:45g 最大太さ(先端から4㎝の所):8㎜ 8角形
中Ⓓ 長さ:16㎝ 重量:45g 最大太さ(先端から5㎝の所):9㎜ 8角形
下Ⓔ 長さ:16㎝ 重量:40g 最大太さ(先端から6㎝の所):7.5㎜ 8角形(先端から6㎝は4角)
画像④ 上Ⓕ下Ⓖとも同じ 長さ:15㎝ 重量:150g 最大太さ(先端から5.5㎝の所):1.8㎝ 8角形
画像⑤ 上Ⓗ下Ⓘとも同じ 長さ:15.5㎝ 重量:140g 最大太さ(先端から5.5㎝の所):16.5㎝ 8角形
柄の紐巻についてですが、色々な事を試しきました。
賛否両論あると思いますが今は以下のやり方がベストだと思っています。
① 幅2.5㎝の養生テープを柄尻に一巻するので適当な長さでカットします。
② カットしたテープに3㎝にカットした麻紐を半分の長さ分横並びで貼り付けます。
③ ②のテープを柄尻に巻きます。
④ 接着剤(セメダイン スーパ-X クリア)を紐を巻き付ける長さに塗ります。
⑤ 切先側の紐を巻く箇所(剣体のバランスが変わるので個人差がある)から紐を1回軽く縛り柄尻に向かってしっかりと巻いていく。
⑥ 柄尻まで巻いたら1回強く縛り、紐を切断する。
⓻ 巻いた紐の上から接着剤を塗り付ける。 私は④と⓻は素手で塗っています。
⑧ 1日乾かす。
⑨ 小さい剣山などで柄尻の麻紐を櫛けずり房状にしてから適度な長さでカットします。
これで完成です。
適度に弾力性もあり、防水性も高く柄紐を巻き直す頻度も減ります。
画像⑥上は製作したばかりの柄巻、下は何十回か使用した時の状態でまるで皮を巻いた様になっています。
私は野外で使用しているので屋内で使用していたらこの様な状態になるかは分かりません。
柄尻の房は剣の養生のためのもので、空気抵抗には殆ど影響しません。
長く使用していると抜け落ちて無くなりますが、飛び方に変化はありません。
自作の手裏剣の材質は「黄紙」と呼ばれる鋼を使用し、七輪と炭とブロ-ア-で鍛造しています。
焼き入れは水焼きですが、私の様な素人には難しく5本製作して2本成功したら大成功です。
鍛冶屋さんは掘削機の刃に使用される鋼材で製作したと言っておられました。
私の手裏剣の腕前は置いておくとして、1番相性が良い手裏剣はⒹとⒽⒾです。
今はyoutubeなどで色々な人が手裏剣を打つ動画が見れる良い時代になりました。
日本の文化遺産として正しく後世に伝えて頂きたいと思います。






