今回、収集品の中から紹介するのは「鎖棒(契木)」です。
残念ながら柄は切断され鎖も切れています。
棒身長(口金まで):53㎝ 太さ:2.3㎝~2.8㎝ 金具等は全て鍛鉄製
太刀受けのため3本の筋鉄が入れられ鉄釘と3個の鉄環で固定されています。
鎖と金具を繋ぐ所には摩耗防止のため正円で大きめの鉄環が入っています。
正円の鉄環径:6.5㎝ 太さ:4㎜
鎖付け金具は1つの部材を曲げてから鍛接して環を作っています。
柄は樫の木製です。
槍の柄の工作とは異なり、鎖付け金具の取付は茎に合わせて木口からのみ柄(棒)を掘り込んで差し込んでいます。
茎を差し込んだ後に鉄目釘を打ちます。
通常の柄ならば真直ぐに打ち込めば釘先が出てきますが、この鎖棒の柄には3本の筋鉄があるためそれが邪魔になります。
そこで製作者は鉄目釘を縦と横に20度の角度で曲げる事でこの問題を解決しています。
先人の技には感心させられる事ばかりです。
鎖分銅全長:55㎝ 重量:290g 鎖粒(26個)寸法:2㎝×1.2㎝ 太さ:2.5㎜
正円の環径:2.4㎝ 太さ:3㎜
分銅は八角錘台 全長:7㎝ 重量:250g 重り部分の長さ:4.1㎝ 太さ:2.8㎝×3.3㎝
振り回されたこの鎖分銅が身体に当たれば骨など簡単に砕けそうです!!
木の部分は切断されていても筋鉄は製作当初のままだと思われます。
この部分にも筋鉄固定のための鉄環があったのかもしれませんが、鉄釘で雑な補修がされているだけです。
元の長さはどれくらいだったのでしょう?
どんな人、どんな流派が使用したのでしょう?
考えるだけで楽しくなります!