今回、収集品の中から紹介するのは「鍵付袖搦み」です。

 

江戸時代では袖搦み・刺又・突棒の三種類の捕具を合わせて「三道具(みつどうぐ)」と呼ばれていたようです。

 

三道具の中で一番使用され現存品が多く残っているのは袖搦みです。

 

全長:2m7㎝ 重量:1.535㎏ 頭部金具長さ:5.5㎝ 頭部金具幅:6.5㎝ 

棒(樫の木製)の太さ:2.6~3㎝ 金具や鉄帯板・石突は全て鍛鉄製

 

頭部金具から46㎝の所に一文字鍵が付けられ、そこまで鋲(トゲ)11本の付いた鉄帯板が三本入っています。

 

鉄帯板長さ:38㎝ 幅:1㎝

鋲の高さ:1㎝ 太さ:6㎜  本数:32個(1本欠損)

 

一文字鍵は両側とも中央部がクビレていて、頭部金具の方に向かって少し曲げられています。

この鍵の下には鏑巻があったと思われます。

 

鍵幅:10.3㎝

 

石突長さ:6.5㎝

 

名和弓雄氏の著書によると江戸初期や幕末の袖搦みの頭部金具は大きく、鋲の高さも高いとの事なのでこの袖搦みは江戸中期頃のものでしょうか。

 

棒身も良い感じに飴色になっています。

 

最近では防犯用具として「さすまた」が普及していますが、私的には袖搦みの方が相手を取り押さえるのには有効だと思います。

 

視覚的にも恐ろしいし...。

 

ただ、過剰防衛にはなってしまうかもです!?